更新日: 2024.11.15 家計の見直し

夫婦2人暮らし、景色などをSNSに載せるのが趣味で年5回ほど旅行しています。年間の旅費が50万円ほど…… 平均より使い過ぎでしょうか?

夫婦2人暮らし、景色などをSNSに載せるのが趣味で年5回ほど旅行しています。年間の旅費が50万円ほど…… 平均より使い過ぎでしょうか?
旅行とSNSが趣味のAさん夫婦は、ともに会社員です。年に4~5回ほど旅行をし、年間の旅費は50万円ほどになるそう。
 
「やはりうちは、旅行にお金を使い過ぎている家庭でしょうか?」と心配されているのですが、実際に平均値はいくらくらいなのか、確認してみましょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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一般的な旅行費の比較で見れば、おおむね平均的

日本の一般的な家庭の年間旅行支出は、観光庁が8月に発表した4~6月期の調査によると、1回の旅行費は1人あたり宿泊を伴う場合は5万1137円、日帰り旅行の場合は1万3381円となっています。夫婦2人であれば、1回につき宿泊を伴う場合は10万円前後、日帰りの場合は約3万円となります。
 
年に4~5回程度の旅行ということであれば、平均的よりやや多めかと思われますが、頻度や楽しみ方、旅行がご夫婦にとって大きな楽しみだという価値観を考えあわせれば、「使い過ぎ」とはいえないでしょう。
 

「使い過ぎ」かどうかは、結局各家庭の収支を基準に考える

平均的な金額と比べるよりも、「使い過ぎ」かどうかを判断するには、Aさんの家計収支を基準に以下の3つの観点から振り返ることが大切です。
 

1. 他の支出とのバランス

旅行費用が、家計全体のどの程度を占めているでしょうか。総支出のなかで娯楽費や趣味・交際費が占める割合が高過ぎると、貯蓄や将来の投資にマイナスの影響を与える可能性があります。目安として、総収入に対して旅行費用が5~10%以内に収まっているなら、問題は少ないでしょう。
 

2. 旅行の頻度と内容

年5回の旅行はやや多めですが、頻繁に行くことで気分転換がはかられ、仕事へのモチベーションアップにつながっているなら、それは有意義な支出です。
 
また、旅行の内容によってコストが変わる点にも注目しましょう。国内の短期旅行を5回で夫婦2人での出費総額が50万円であれば、リーズナブルです。旅行には、交通費や宿泊費が大きな割合を占めます。移動手段や宿泊施設の予約の仕方やホテルにするか民宿タイプにするかなど、形態を工夫すれば出費を抑えられます。
 
また、旅行の目的や趣味の価値観も考慮に入れたいです。旅行を通じて新しい経験を得ることができれば、それはお金には代えられない価値を得られたことになります。さらに、SNSで旅行の景色を多くの知り合いにシェアすれば話題提供にもつながり、意味のある投資といえるでしょう。
 

3. 貯蓄や将来計画の影響

旅行費が貯蓄や将来への備えを圧迫していないかが、最終的な判断基準となります。もし、旅行に使うお金が長期的な目標(マイホーム購入、老後資金、投資など)に支障を来さない程度であれば、問題ありません。逆に、旅行のために他の重要な支出を犠牲にしている場合は、見直す余地があるかもしれません。
 

3つの基準で検討して問題なければ趣味を楽しむことは大事

家計のなかでの旅行費の占める割合、交通費や宿泊施設の予約の取り方や移動手段・ルートの見直しによる出費の見直し、将来的なライフプランを圧迫していないかどうか、という3点からチェックします。
 
ここで問題がないであれば、人生をより充実させ、ストレスを解消し、円滑なコミュニケーションにもつながりますから、「旅行」という経験をご夫婦で楽しまれるとよいでしょう。
 

出典

国土交通省 観光庁 旅行・観光消費動向調査
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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