更新日: 2024.11.26 働き方

友人が「社員旅行費用が給料から天引きされる」と言っていましたが、法律的に問題ないのでしょうか? また、今の時代「社員旅行」がある会社はどれだけあるのでしょうか?

友人が「社員旅行費用が給料から天引きされる」と言っていましたが、法律的に問題ないのでしょうか? また、今の時代「社員旅行」がある会社はどれだけあるのでしょうか?
現代の日本において、社員旅行を行う企業はまだ多く存在しますが、その数は減少傾向にあります。特に新型コロナウイルスの影響で、社員旅行の実施が難しくなった企業が増えているようです。ここでは、社員旅行の費用が給料から天引きされることについての法的な問題と、現代の日本における社員旅行の実施状況について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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社員旅行費用の天引きは労使協定がポイント

社員旅行の費用は、会社が全額負担する場合もあれば、社員が一部を負担することもあります。社員が負担する企業では、給与から「旅行積立金」として毎月一定額が天引きされるケースもよくみられるようです。
 
労働基準法第24条では「賃金は通貨で全額支払うこと」とされていますが、例外として「法令で認められている場合」や「労使協定がある場合」には給与からの天引きが可能だとされています。そのため、社員旅行費が天引きされる場合は、会社と労働者の間で労使協定が結ばれている必要があります。
 
この労使協定は、社員全員が個別に同意する必要はなく、労働組合や組合がない場合は労働者の過半数代表者が締結します。そのため、例え自分が反対していても、全体の過半数が賛成すれば、その天引きに従わなければならないことに注意が必要です。
 

社員旅行に関する調査:6割以上が「ない」と回答

株式会社サーバーワークス(東京都新宿区)は7月23日、社員旅行に関する調査結果を発表しました。この調査は全国の20歳以上の会社員550人を対象に実施しました。その結果、勤務先に社員旅行が「ある」と答えた人は全体の28.4%にとどまり、65.6%が「ない」と回答しています。
 
また、社員旅行に対するイメージを尋ねたところ、「時代遅れで、古い企業がやるもの」という回答が24.7%で最も多く、続いて「特にイメージがない」が20.2%を占め、無関心な人も多いことがうかがえます。一方、「日常を離れてリフレッシュできる」と肯定的な印象を持つ人は17.5%と、ポジティブな意見も一定数見られました。
 

社員旅行のメリット

高度成長期には企業文化の一環として定番だった社員旅行ですが、近年では「仕事とプライベートを分けたい」という意識の高まりや、企業のコスト負担が重いことから、その人気は大幅に低下しているようです。
 
しかし、依然として社員旅行を実施する企業もあり、その効果が再評価されています。ここでは、社員旅行がもたらす具体的なメリットについて見ていきましょう。
 

従業員同士の絆を深める

企業が社員旅行を導入する大きな目的のひとつが、職場内のコミュニケーションの促進です。旅行中のリラックスした環境は、普段以上に深い交流を生み、仕事に関する話題も増やすきっかけになるようです。
 

新たな発想を得る場

社員旅行の非日常的な環境は、新しい視点や気付きを生む機会となる可能性があります。普段の業務では思いつかないようなアイデアや、仕事に対するインスピレーションが得られる可能性もあるでしょう。
 

人材採用・定着への効果

ユニークな社員旅行は、採用活動におけるアピールポイントにもなるとされています。求職者に「楽しみのある会社」という印象を与えられれば、企業の魅力を伝える有効な手段になることもあるでしょう。
 
また、満足度の高い社員旅行を定期的に実施することで、既存社員の定着率の向上につながる可能性もあります。
 

社員旅行費用の給与天引きは、労使協定の締結が条件/社員旅行を行う企業の割合は3割未満

社員旅行費用の給与天引きは、労使協定の締結が条件となっており、適切な手続きがなされている場合に限り合法です。一方、現代では社員旅行を行う企業の割合は3割未満に減少し、特に若い世代から「時代遅れ」という見方をされることも多くなっているようです。
 
それでも、コミュニケーションの向上やチームビルディングを目的に社員旅行を続ける企業が存在しているのも事実です。このように、社員旅行の必要性は企業ごとの価値観に依存しています。今後も減少傾向が続くことが予想されますが、一部では重要な施策として存続する可能性があります。
 

出典

厚生労働省 労働基準法第24条(賃金の支払)について
株式会社サーバーワークス 社員旅行に関する調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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