更新日: 2024.12.07 その他家計
【比較】「都市ガス」「プロパンガス」「IH」料金はどれがお得? メリット・デメリットもあわせて解説
台所の光熱費は都市ガス、プロパンガス、IHでどれくらい異なるのでしょうか。本記事では、都市ガス・プロパンガス・IHの料金を比較し、どれがお得なのか解説します。
執筆者:石上ユウキ(いしがみ ゆうき)
FP2級、AFP
都市ガス・プロパンガス・IHの概要をおさらい
まずは、都市ガス・プロパンガス・IHの特徴をあらためて確認しましょう。それぞれの特徴は図表1のとおりです。
図表1
一般社団法人日本ガス協会、一般社団法人日本電機工業会WEBサイトを基に筆者作成
都市ガスは料金が抑えられますが、サービスが利用できる場所は限られるため、転勤の多い世帯で利用する際は注意が必要です。プロパンガスはさまざまなエリアで利用できるのが特徴ですが、都市ガスに比べると料金はやや高めです。
IHはガスを使わず電気で調理します。電気代は4人家族で1ヶ月あたり約1170円(税込)となっています。フライパンや鍋などの調理器具をIH対応のものにしなければならないのがネックです。
都市ガス・プロパンガス・IHの料金を比較
では、ガスコンロおよび電気代を以下の計算式に基づき算出して、それぞれの1時間あたりにかかる料金を比較してみましょう。
・ガスコンロ:出力(キロワット)×3.6メガジュール/アワー×使用時間(h)÷ガスの発熱量(メガジュール/立法メートル)×ガス料金(円/立法メートル)
・電気代:消費電力(キロワット)×使用時間×電気料金単価(円/キロワット)
※発熱量はガスコンロが45メガジュール/立法メートル(東京電力)、プロパンガスが99メガジュール/立法メートルとする。
※ガスコンロの出力は弱火で0.38キロワット、中火で1.68キロワット、強火で2.97キロワットであることから、平均して1.68キロワットとする。
※IHの消費電力はコンロ1個を3.2キロワット、電気代は昼夜を平均して26.39円/キロワットアワーとする。
結果は図表2のとおりです。
図表2
筆者作成
1時間あたりの料金は都市ガスが最も安く、プロパンガス、IHの順に高くなっています。都市ガスとIHでは約60円の差があり、コンロの使用時間が長くなるほど差が開いていきます。
少しでも料金を抑えたい人は、提供エリアの場合は都市ガスの契約を検討してみましょう。
それぞれのメリット・デメリットを比較
最後に、都市ガス・プロパンガス・IHのメリット・デメリットを見てみましょう。
都市ガスは、料金が安いのが特徴です。プロパンガスに比べると負担金額は少なく、ガス代が高騰しがちな冬季でも安心して使えます。一方で、サービスの提供範囲が一部の都市に限られるため、地方では利用できない可能性があります。また、災害復旧に時間がかかるのも難点です。
プロパンガスは、さまざまな地域で提供されているのが特徴です。何かのトラブルでガスが使えなくなっても、設備交換さえすれば利用できるため災害にも強いです。一方、料金が都市ガスより高くなりがちです。また、地方のような都市ガスのサービス提供外の地域でガス火を使うとなると、プロパンガス一択となります。
IHは、電気で加熱するため、火を扱いません。そのため安全性に優れています。また、火を使わないことで空間に熱がこもりにくくなり、暑い季節でも快適に利用できるのが特徴です。一方、停電してしまうと一切利用できない点や、調理器具がIH対応でないと使えないのがデメリットといえます。
まとめ
コンロの熱源はいくつか選択肢がありますが、どれを選ぶかによってかかる料金は変わります。
また、契約内容・料金プランによっても異なる場合があります。冬になる前に電力会社やガス会社の乗り換えを検討している人は、「ガスか電気か」だけでなく料金プランごとの比較も重要となるでしょう。
出典
一般社団法人日本ガス協会 都市ガスとLPガスの違い
一般社団法人日本電機工業会 電気をムダなく活かすIH
パナソニック IH調理器/IHクッキングヒーターYシリーズ
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP