大手牛丼チェーン店が期間限定で「値下げ」していましたが、未だに値上げせずに踏ん張っている業界はどこでしょうか?
配信日: 2024.12.07
この記事では、値上げの波に逆らい「価格の据え置き」や「値下げ」をしている業界や企業に焦点を当て、まとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
ここ数年、物価はどれぐらい上昇している?
総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数」(2024年10月分)によると、2020年を100として比較した場合、2024年10月時点では総合指数が109.5、「食料」が120.4(生鮮食品が127.6、生鮮食品以外が119.2)、「光熱・水道」が111.1、「家具・家事用品」(家電など)が121.3と軒並み上昇しています。
前年同月比を見ても、総合指数は2.3%、「食料」が3.5%、「光熱・水道」が3.2%、「家具・家事用品」が4.4%と、それぞれ上昇しました。
そんな中で、牛丼が値下げされたニュースはインパクトが大きいものだったといえるでしょう。
牛丼チェーン店の値下げ戦略
大手牛丼チェーン店の値下げは、期間限定ではあったものの、消費者にとって朗報となったのではないでしょうか。競合他社との差別化を図るとともに、離れてしまった顧客に戻ってきてもらうことを狙ったキャンペーンといえるでしょう。
牛丼チェーン店が値下げキャンペーンをする背景には、牛丼チェーンを含め、外食業界の競争激化があります。牛丼の価格が値上がりしたことで、牛丼チェーンだけではなく、ファミリーレストランなども含めた飲食チェーンとの競合も考慮しなくてはなりません。
値下げをすることにより、価格に敏感な新規の顧客やほかの飲食店からの乗り換えが増え、来店客数が増加することが期待できるでしょう。また、お得に感じた顧客が再度、来店する可能性が高まるかもしれません。
ただし、客数が増えても一品当たりの単価が下がるため、全体の売り上げが増えても、利益が増えるかどうかは未知数です。
牛丼チェーンは、他店と差別化を図り顧客を引き寄せるために、利益が減る可能性があっても、効果が大きい値下げに踏み切ったといえます。
値上げせずに踏ん張る業界とは?
多くの業界が値上げに踏み切る中、ほとんど値上げをしていない、または値上げを最小限にしている業界や企業もあります。
例えば100円ショップや一部の外食チェーン、スーパーなどにおいては、商品の価格を変更しなかったり、商品の一部を値下げしたりしているケースもあるでしょう。そのほか、競争が激しい通信業界などにおいても価格を引き下げる動きが見られます。
値上げを回避している企業には「効率的な経営」および「大規模経営によるコスト削減」といった共通点があり、さまざまな企業が値上げする中でも価格を維持しながら、利益を確保しています。
100円ショップの場合は、大量仕入れによるコスト削減、商品のラインアップの見直し、プライベートブランド商品の開発などが代表的な取り組みであるといえるでしょう。
外食チェーンでは、手頃な価格で多様なメニューを提供することで幅広い顧客層にアピールし、顧客満足度を高めリピーターを増やしています。また、日本ではシェアを奪われないために値上げせず、海外の店舗で価格を上げて収益を確保するといった戦略を取っている外食チェーンもあるようです。
100円ショップや一部外食チェーンやスーパーなど競争が激しい業界では、値上げを控える動きがある
大手牛丼チェーン店の値下げは期間限定でしたが、全ての業界および企業が値上げに踏み切っているわけではありません。競争が激しい業界では、無駄を省いた効率的な経営に徹し、シェアの維持および拡大を目的に値下げおよび価格据え置きを選択しています。
今後も厳しい経済環境が続くと予想されますが、消費者としても企業の取り組みを理解しておくといいでしょう。
出典
総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)10月分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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