田舎の島で暮らしていますが「タンス預金」がバレることってあるのでしょうか?リスクってありますか?
配信日: 2024.12.15 更新日: 2024.12.16
特に田舎の島など外部との接触が比較的少ないような地域では、タンス預金がバレないと考えるかもしれませんが、実際には注意が必要です。
そこで本記事では、タンス預金がバレるおもな理由と、タンス預金のリスクについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
タンス預金がバレるおもな理由
正しく税金申告をしているお金であれば、タンス預金自体は違法ではなく、自己責任のもと、自宅のタンスや金庫に現金を保管することは問題ありません。しかし、相続や贈与が発生した際には申告が必要です。相続や贈与の際に税金逃れを目的としタンス預金を行うことはやめましょう。
ここでは、タンス預金がバレるおもな理由について見ていきましょう。
不自然な取引の検出
国税庁と税務署では「KSK(国税総合管理)システム」を活用して、納税者の情報などを一括で管理しています。KSKシステムには過去に納めた税金や収入などの情報が登録されており、申告額と実際に納めた税額に矛盾がないかなどを確認します。
さらに税務署は、過去10年分の預金口座の動きを調べることもできるとされているため、高額な入出金や振り込みを徹底的に調査可能と考えられます。不自然な点が見つかった場合は、タンス預金を利用した税金逃れと見なされることもあるようです。
税務調査による発覚
相続税や贈与税に関連する税務調査が行われた際に、タンス預金の存在が発覚するケースがあります。相続税の調査では、不自然な現金の動きが特定されることが多く、KSKシステムで不自然な取引を検出した先を、税務調査の対象として選定することもあるようです。
国税庁の「令和4事務年度における相続税の調査等の状況」によると、実地調査件数8196件のうち全体の85.8%で申告漏れなどが指摘されています。
タンス預金には火災や盗難などのリスクもある
タンス預金そのものに問題がない場合でも、火災や盗難などで現金が消失するリスクがあります。
通常の普通預金などでは金融機関が万が一破綻した場合、合計で1000万円までは保護されます。一方タンス預金では、現金が火災や盗難に遭った場合でも、火災保険や地震保険では現金は対象外となり補償されない可能性があるでしょう。
タンス預金で起こり得るリスクを回避するためには
タンス預金はいつでも自由に現金を使える、金額が大きい場合には金融機関の破綻などの際に資産を守れるなどのメリットがあります。一方で、相続税や贈与税の税金逃れの疑いをかけられたり、火災・盗難に遭ったりするリスクもあるため、ここでは現金を安全に保管するための方法を見ていきましょう。
銀行口座や金融商品を利用することで、安全性を大幅に向上させることが可能です。銀行にお金を預けておくと火災や盗難の影響を受けないうえに、万が一の場合も預金保険制度によって一定額まで保護されます。
また、税務調査の対象になるリスクを避けるためにも、日常的に現金を使う場合は出どころを明確に記録しておくことが大切です。例えば、家計簿アプリを活用して支出や収入を整理しておくことで、万が一調査が入った際にもスムーズに説明できるでしょう。
タンス預金は相続や贈与時の税務調査や不自然なお金の動きなどでバレる可能性がある
タンス預金は自分の好きなときに自由にお金を使える、金額が大きい場合には金融機関が破綻した際に資産を守れるなどのメリットがある一方、相続や贈与時の税金逃れの疑いや、火災や盗難といったリスクが存在します。田舎の島といった環境でも、これらの問題から完全に逃れることはできません。
タンス預金で起こり得るリスクを回避するためには、銀行口座など金融機関に預けることや、日常的に現金を使う場合は出どころを明確に記録しておくことを検討しましょう。資産の安全性を確保しながら、税務調査などのリスクを回避できる可能性があります。
出典
国税庁 令和4事務年度における相続税の調査等の状況 I相続税の調査等の状況 1相続税の実地調査の状況 相続税の実地調査事績(2ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー