「一人暮らし」をしている「50代」の「平均貯蓄額」はどのくらいですか? 老後資金は「1000万円」あれば問題ないでしょうか?
配信日: 2024.12.19
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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50代の平均貯蓄額は?
金融広報中央委員会がまとめた「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、50代の金融資産の保有率は61.7%であり、38.3%の人は何も保有していません。
金融資産を保有していない世帯も含めた金融資産の平均額は1391万円、中央値は80万円という結果でした。3000万円以上保有している人の割合が全体の9.3%と高い傾向があるため、平均額が高くなっているようです。
ただし、貯蓄額の場合は実態に近い数値となる「中央値」が現実的な数値として統計では注目されています。中央値とは、金額を小さい順から並べたとき、中央にくる数値です。
必要な老後資金はどのくらい?
総務省がまとめている「家計調査報告〔家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の1ヶ月あたりの平均消費支出額は「14万5430円」でした。
一方、実収入額の平均は「12万6905円」、可処分所得(税金や社会保険料を除いた手取り収入)は「11万4663円」となっています。可処分所得から消費支出を引くと、毎月「3万767円の赤字」です。
老後生活が20年続けば約740万円、30年であれば約1100万円の貯蓄が必要になります。ただし、老後で必要なのは生活費だけではありません。
老後資金のために必要な貯蓄額は?
老後の心配事といえば「介護」と「葬式」の費用という方もいるかもしれません。公益財団法人生命保険文化センターによる「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用で一時費用の合計額は「平均74万円」という結果でした。
また、介護に要した月々の費用は「平均8.3万円」と報告されています。そしてその介護期間の平均月数は「61.1ヶ月(5年1ヶ月)」という結果になりました。
これらの結果より、初期費用の74万円と月々の介護費用の合計が約507万円、計約581万円が介護として用意しておくべき金額の目安と考えられます。
また、経済産業省による「特定サービス産業動態統計調査」によると、2023年の葬儀の平均費用は約120万円という結果でした。そのため、介護と葬式の合計として約700万円を別に用意しておくと安心できる可能性があります。
まとめ
老後資金にどのくらい準備しておく必要があるのかは、将来もらえる年金額などによって異なると考えられます。また、持ち家か賃貸かでも大きく変わるため、一概にいえません。
しかし、すべて平均的な収入と支出で想定するならば、1000万円では心もとない可能性があります。
貯蓄額に心配がある場合は、節約や投資などを行い、老後の資金が少しでも増えるようにしていきましょう。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要
公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査
経済産業省 特定サービス産業動態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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