近所の人が自宅に太陽光パネルを設置していました。家庭用太陽光発電は節約につながるでしょうか? 設置費用が高いイメージがあります…
配信日: 2024.12.20
本記事では、家庭用太陽光発電の仕組み、導入費用、節電効果、寿命やメンテナンス費用の目安について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家庭用太陽光発電の仕組み
家庭用太陽光発電は、太陽の光エネルギーを活用して電力を作り出すシステムです。一般的には、自宅の屋根に太陽光パネルを設置し、パネルで発電した電気を家庭内で利用します。
太陽光パネルには、「太陽電池」と呼ばれる半導体素材が使われており、太陽光を受けると電気が発生する仕組み(光起電力効果)を持っています。ただし、太陽電池に電気を蓄える機能はありません。そのため、発電した電気は専用の機器を通じて、家庭内の照明や電化製品に供給されます。
太陽光発電で作られた電気は、家庭のさまざまな場面で使用可能です。照明、エアコン、テレビ、スマートフォンの充電、換気扇など、多岐にわたる日常生活のエネルギー源となります。
また、自宅で消費しきれなかった電気は、電力会社に売ることも可能です。電力会社の送配電設備と太陽光発電システムが接続する必要がありますが、余剰電力を「売電」して収入を得る仕組みも備わっています。
家庭用太陽光発電の導入にかかる費用
家庭用太陽光発電システムを導入する際の費用は、設置容量や設備の種類によって異なりますが、経済産業省の2024年度データによれば、1キロワットあたりの平均費用は約26万7000円とされています。一般的な家庭では3〜5キロワットの出力が必要とされており、その場合の設置費用の相場は約80万1000~133万5000円(26万7000円×3〜5キロワット)です。
設置費用は、主に設備費、工事費、諸経費の3つに分けられます。具体的には、太陽光パネル、パワーコンディショナー、架台、発電モニター、接続箱、ケーブルなどの費用が含まれます。
ただし、設置場所の条件や選ぶメーカーによっては、価格が変動することもあるため、導入前に複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。
導入による節電効果
太陽光発電を導入することで、家庭の電気代の大幅な削減が期待できます。日中の発電量が家庭の消費電力量を上回る場合、その余剰分を売電できるため、電気代の削減だけでなく収益を得ることも可能です。
例えば、年間発電量が7000キロワットアワー、自家消費率を40%、電気代を31円/キロワットアワー、売電価格を16円/キロワットアワーと仮定すると、以下の計算で電気代削減と収益の見込みが算出できます。
●自家消費による電気代削減額
7000キロワットアワー × 0.4 × 31円 = 8万6800円
●売電収益
7000キロワットアワー × 0.6 × 16円 = 6万7200円
年間で8万6800円+6万7200円=15万4000円 が、実質の収益として期待できます。仮に設置費用が100万円であれば、約6.5年で元を取れる計算です。ただし、この金額はあくまで前提条件に基づくものであり、状況によって金額は異なります。また、実際には設備投資やメンテナンスコストなども考慮する必要があります。
太陽光パネルの寿命とメンテナンス費用目安
家庭用太陽光発電システムの寿命は、主にパネルの耐久性に左右されます。一般的に、太陽光パネルの寿命は20〜30年程度とされており、多くのメーカーが20〜25年間の出力保証を提供しています。
保証期間は、パネルが一定以上の発電効率を維持することを保証するもので、システムの性能を判断する一つの基準です。太陽光パネルが30年以上安定して稼働しているケースも報告されており、適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって使用できる可能性があります。
ただし、太陽光発電システムの寿命を延ばすためには定期的な点検が欠かせません。点検費用の相場は10キロワット未満の家庭用システムの場合、1回あたり約2万円です。
点検の推奨頻度はおよそ4年に1回とされており、20年間の総費用は約10万円、年間では5000円程度が目安です。なお、これらの金額は設置する地域や業者によって異なる場合があるため、注意が必要です。
家庭用太陽光発電はおよそ6〜7年使うと元が取れる
太陽光発電システムの導入には高額な初期費用がかかりますが、発電による電気代の削減や余剰電力の売電収入を考慮すると、6〜7年程度で設置費用を回収できる可能性があります。また、太陽光パネルは20〜30年の寿命があるため、長期間にわたって経済的なメリットを享受できるのが魅力です。
さらに、定期的な点検や適切なメンテナンスを行いシステムの寿命を延ばせれば、投資効果を最大限に高められるでしょう。初期費用が気になる方も、設置業者の見積もりを比較することで、より納得のいく選択が可能です。
出典
経済産業省 令和5年度以降の調達価格等に関する意見(案)
公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー