ドイツでは「残業がほぼない」って本当ですか?「年間休日数」はどのくらいなのでしょうか?

配信日: 2024.12.21

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ドイツでは「残業がほぼない」って本当ですか?「年間休日数」はどのくらいなのでしょうか?
仕事をする上で、残業があるかないかを重要視されている人も多いのではないでしょうか。日本でも残業なしの会社が増えてきましたが、遅くまで仕事をしている会社もまだ多くあります。一方、ドイツでは残業がほとんどなく、働きやすい環境と言われています。
 
今回の記事では、ドイツの残業時間や休日日数など働き方を紹介し、日本とどのくらい異なるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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労働時間

まずは、日本とドイツの労働時間について見ていきます。「日本人は働きすぎ」と言われることもありますが、本当にそうなのでしょうか。
 

日本

データブック国際労働比較2024によると、日本の一人当たりの平均年間総実労働時間は、2022年で1607時間となっています。年間休日130日だとした場合、1日あたりの労働時間は約7時間となります。
 
1988年では、2092時間と400時間ほど多く働いていました。1日当たりに換算すると、約9時間働いていたことになります。残業が当たり前だったと言っても過言ではありません。
 
また、労働基準法により、現在働ける週実労働時間は40時間となっています。新型コロナウイルス流行時には労働時間が減少しましたが、今では40時時間以上働く場合は36協定の締結が必要となっています。2010年から比べると、週実労働時間は2時間少なくなっています。長時間労働者の割合も昔より減少しており、現在は15.3%となっています。
 

ドイツ

一方、ドイツは主要諸外国の中で最も労働時間が短くなっており、1341時間となっています。1985年では、1666時間働いていたのが、今では約300時間も減少しています。日本と比べると差が300時間以上あり、ドイツは1日当たりの労働時間がかなり少なくなっています。
 
ドイツの週実労働時間は、2022年で36.7時間となっています。2010年から比べても日本よりも労働時間は短くなっており、過去に37時間以上のケースはありません。また、長時間労働の割合も日本より圧倒的に低く、5.3%となっています。この数字からドイツは昔から日本よりも労働時間が少なく、ほとんど残業がないとわかります。
 

年間休日

次に年間休日も比べてみます。日本とドイツではどのくらい差があるのでしょうか。
 

日本

2022年の日本の年間休日日数は137.6日となっています。世界的に見てもほぼ平均の日数だということがわかります。
 
有給も労働基準法で決められており、6ヶ月で10日付与されます。政府で年5日の有給取得が義務化されるなど、休める環境も整っています。しかし、2021年の有給取得率は58.3%となっており、有給が取りにくい現状となっていることも確かです。
 

ドイツ

ドイツでは、2022年の年間休日日数は142日となっています。ドイツは世界で最も休日が多いことがわかります。その中でも日本と大きく異なる点は年次有給休暇です。ドイツでは年次有給を30日とることができます。年次有給の付与は1暦年につき24週費で、週5日制の場合は20週日となっています。
 
また、日本では有給を翌年に繰越すことができますが、ドイツは1年のうちに消費しなければなりません。そのため有給取得率も高く、休みを取りやすい環境になっているのです。
 

年収はどのくらい違う?

日本とドイツの年収や時給を以下の表にまとめました。
 
表1

平均時給 平均年収
日本 1055円 458万円
ドイツ 12.41ユーロ 5万7000ユーロ

各HPを基に筆者作成
 
ドイツは1ユーロ158円(2024年12月9日時点)で計算すると、時給1963円、年収901万8942円となります。
 
年収を見てみると、日本の倍近い金額となっています。時給も日本と比べると圧倒的にドイツの方が給与が高いことがわかります。ドイツは労働環境が整っているだけでなく、給与も多く支給されています。
 

ドイツは労働環境が整っている

ドイツは世界的にも働きやすい環境が整っていて、日本よりもはるかに好環境だということがわかりました。日本でも働き方の改善が進んでいますが、残業や休日出勤は現状ゼロではありません。ドイツのような労働環境になれば、日本の労働に対する考え方も変わってくるでしょう。
 

出典

データブック国際労働比較2024 労働時間・労働時間制度
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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