勤労世帯の平均貯蓄と負債はいくら? 年収額も大公開!
配信日: 2024.12.28
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
平均年収・貯蓄額・負債額
国土交通省が公開している「令和5年度 住宅経済関連データ」に掲載の「住宅と家計経済」によると、令和4年の勤労者世帯の平均年収・貯蓄額・負債額は、以下のとおりとなっています。なお、この平均金額は、関東と近畿で傾向に違いが見受けられました。
<全国平均>
平均年収: 768万円
平均貯蓄:1508万円
平均負債: 879万円(うち住宅・土地は813万円)
<関東地方平均>
平均年収: 830万円
平均貯蓄:1641万円
平均負債:1014万円(うち住宅・土地は943万円)
<近畿地方平均>
平均年収: 765万円
平均貯蓄:1649万円
平均負債: 868万円(うち住宅・土地は797万円)
関東地方は、平均年収が近畿地方や全国平均に比べて高い傾向が見られました。しかし、負債額についても近畿地方や全国平均より高くなっています。
一方、近畿地方は、平均年収は全国平均と大きく変わりませんが、貯蓄額が全国平均より約140万円も多くなっています。また、負債額は全国平均よりも約10万円少ないという結果になりました。
私たちの年収は上がっている?
次に、年収の推移を確認していきます。国土交通省の同調査によると、ここ数年、全国の平均年収は全体的に右肩上がりとなっています。
平成24年:691万円
平成25年:708万円
平成26年:702万円
平成27年:709万円
平成28年:715万円
平成29年:722万円
平成30年:729万円
令和元年 :736万円
令和2年 :740万円
令和3年 :749万円
令和4年 :768万円
令和4年の平均年収は、10年前の平成24年に比べて約80万円も上がっています。これは、月で平均6~7万円ほど収入が増えたことになります。
ここ最近、大きな物価高で生活が苦しいと感じている方も多いかもしれません。しかし、上記のとおり年収も増加傾向が見られており、一般的には、今後も物価高に追い付くように年収が上がっていくと考えられています。
自分の家計をチェックしよう
全国の平均年収や貯蓄額・負債額と、自分の家計を比較してみましょう。全国の平均値と比べると、家計を客観的に分析することができます。
例えば、年収が全国平均に比べて大幅に低い場合は、働き方を変える、副業やパートを始めてみるなど、収入を増やすことができないか検討してみましょう。また、貯蓄があまりできていないという方は、先取り貯蓄を行うなど、お金をためる仕組みづくりを行いましょう。
さらに、住宅ローンなどの負債が多いという場合は、冬のボーナスなどを使って、ローン残高を減らすことができないか考えてみましょう。
まとめ
年末年始は、1年間の支出を確認し、家計を総点検する絶好の機会です。「貯蓄を計画的に増やすことができているか」「ローンは滞りなく返済できているか」といったポイントをチェックしてみましょう。
収入が十分ではないと感じるようでしたら、2025年は働き方を変えるなど、さらに家庭の年収を増やすことができないか、検討してみてはいかがでしょうか。
出典
国土交通省 令和5年度 住宅経済関連データ
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者