会社の同僚は「土日はタイミーで小遣い稼ぎしてる」とのこと。「少額だし申告ナシで大丈夫」と言ってるけど、本当に問題ないの? 注意点を解説
配信日: 2024.12.28
しかし、実際にタイミーで小遣い稼ぎをしている人から「少額だから税務署に申告しなくても大丈夫」「少額だから、自分から話をしない限り、会社にも副業としてバレることはない」という声も聞こえてきます。本当にそうなのでしょうか。今回は、タイミーで得た収入について、申告の是非を含めて分かりやすく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
タイミーでの収入は「見えないお金」ではない
タイミーで得た収入を「ちょっとしたお小遣い」と考える人もいるかもしれませんが、税務上は立派な所得です。タイミーを通じて働くのは、休日にフリーマーケットで雑貨を売るような感覚かもしれませんが、税務署はそれも「課税対象」と見なします。会社員の人がタイミーで得た収入は、主に以下の2種類に分類されます。
(1)給与所得
「雇用契約」を結んで働いた場合、収入は給与所得に分類されます。
(2)雑所得
「業務委託契約」を結んで働いた場合、収入は雑所得となります。この場合は、経費を差し引いた金額が課税対象になります。
タイミーで得た収入は、「使ってしまえば見えないお金」ではなく、しっかり管理すべき所得です。
「少額なら申告不要」は本当?
「少額だから申告しなくても大丈夫」という話は、正確にいえば「所得税」については副業の給与所得および雑所得の年間合計が20万円以下までなら申告不要ということです。
しかし、住民税については本業以外の収益が20万円以下の場合でも別途申告が必要となります。この住民税の申告を把握せず、所得が20万円以下なら副業は一律で申告不要だと勘違いすると、後から大変です。
税務署の目は甘くない? 申告漏れのリスク
「申告が必要だとしても、副業は少額だから税務署も気づかない」という考えは非常に危険です。例えば、タイミーのようなサービスを利用して得た収入は、銀行振込やデジタル記録として残ります。税務署はこれらのデータを基に全体の所得を確認できるため、税務調査の連絡が来て、申告漏れが発覚することもあります。
この場合、ペナルティとして延滞税や加算税が課される可能性があります。延滞税は年14.6%と「延滞税特例基準割合+7.3%」のどちらか低いほう、加算税は税務調査の事前連絡後、実際に税務調査に入る前に本来必要な税金を納付した場合、本来かかる税金に加えて10%分多くの税金を支払う必要があります。
仮に、時給が1200円だと仮定して週末土日合わせて10時間程度タイミーを利用し、年間の半分の週を副業に費やした場合、申告が必要な副業の年間所得は
1200円×10時間×52週÷2=31万2000円
このように、約31万円と想定されます。雑所得の税率は、給与所得と合計して計算するため、単体で算出することはできませんが、仮に支払う税金を10%とすると、本来は約3万円の税金支払いが必要です。
これに対して、仮に加算税10%を課されたとすると約3万1000円を支払うことになります。大きな額ではないと思われるかもしれませんが、小遣い稼ぎのつもりが、申告をしなかったことで余分に税金を支払うことになってしまうと本末転倒です。
本業をしながらタイミーで働く場合には適切な対応を
たとえ土日だけの小遣い稼ぎだとしても、本業とは別で稼いだお金なら、申告が必要になるケースは多いです。税務申告を正しく行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。また、勤務している会社が副業禁止の場合、タイミーで働くことが就業規則違反になり、本業に影響が出てしまう場合があります。
勤めている会社の就業規則を確認したうえでタイミーを利用し、申告が必要になった場合には、その年の確定申告も忘れず済ませましょう。
出典
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.9205 延滞税について
財務省 加算税の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー