「エアコン」vs「床暖房」1ヶ月つけっぱなしにするなら、安いのはどっち? 気温が「0度以下」にならない地域でシミュレーション
配信日: 2024.12.29
それぞれの機器には特徴があり、家族の好みによって使い勝手や満足度が変わりますが、ランニングコストは押さえておきたいポイントです。
本記事では、気温が氷点下になることの少ない地域を想定し、エアコンと床暖房を1ヶ月間つけっ放しにした場合のコストを比較して解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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エアコンと床暖房、結局どちらが安い?
結論から申し上げると、コスト面で比較した場合、床暖房が安くなります。
では、具体的に確認していきましょう。より正確な比較を行うために、使用環境や稼働条件などを以下に設定しました。
(1)仕様環境
・居住地域 東京近郊(1月の平均気温:約5.8℃)
・部屋の広さ 14畳(床暖房は10畳用を想定)
(2)想定電気機器
・エアコン (ダイキン S404ATEP-W) 消費電力量 1.41キロワット
・床暖房(パナソニック フリーほっと電気式)消費電力量 1.13キロワット
(3)稼働条件
・稼働時間 1ヶ月つけっ放し(24時間×30日=720時間)
・電気料金 目安単価30円/キロワットアワー(税込)
これらの条件をもとに、エアコンと床暖房の電気代を算出します。なお、実際の電気料金は、燃料費調整額や契約条件などによって異なりますので、あくまで目安として参考にしてください。
エアコンと床暖房の光熱費を徹底比較!
それでは、指定した条件をもとに、エアコンと床暖房の電気代を計算し、それぞれのランニングコストを比較していきます。
(1)エアコンのランニングコスト
●消費電力量 1.41キロワット
●稼働時間 720時間
●電気料金単価 30円/キロワットアワー(税込)
電気代(円)=消費電力量(キロワット)×稼働時間(h)×電気料金単価(円/キロワットアワー)
1.41キロワット×720h×30円/キロワットアワー=3万456円
(2)床暖房のランニングコスト
●消費電力量 1.13キロワット
●稼働時間 720時間
●電気料金単価 30円/キロワットアワー(税込)
1.13キロワット×720h×30円/キロワットアワー=2万4408円
エアコン 3万456円
床暖房 2万4408円
このことから、床暖房とエアコンを1ヶ月つけっ放しにした場合、床暖房のほうが約6000円安くなることが分かります。さらに、11月から3月までの5ヶ月つけっ放しにしたと仮定すると、電気代の差額は約3万円になります。
2025年1月に再開予定の補助金の概要は?
冬場は外気温と快適な室温の差が大きいため、夏場よりも消費電力が増加し、電気代が上がりやすい傾向があります。さらに燃料価格の高騰も重なり、家庭への負担が増加している中、家庭向けの電気・ガス料金に対する補助が、2025年1月から再開される見込みです。
家計向け電気料金に対し、1月と2月は、2024年10月の補助と同じ1キロワットアワーあたり2.5円、3月には補助額が縮小され、1キロワットアワーあたり1.3円とする方向で調整が進められています。
前述の条件設定に基づき、1キロワットアワーあたり2.5円の支援があった場合について検証すると、エアコンでは2538円、床暖房では2034円、安くなる計算です。
当然ながら、この補助は暖房機器だけでなく使用電力量全てに適用されるため、高騰しがちな冬場の電気代負担が大きく軽減されることが期待されます。
エアコンと床暖房、どちらを選ぶべき?
東京近郊を例として、暖房機器を1ヶ月つけっ放しにするなら床暖房のほうが経済的であることが分かりました。しかし、エアコンと床暖房には、コストだけでは比べられない、それぞれの特性や利点があります。
例えば、床暖房は足元を中心にじっくり暖まる特性があり、冷え性の人やエアコンの風が苦手な人などに適しています。また、心地よい暖かさを保つため、リビングなど長時間過ごす空間に向いています。
一方で、エアコンは部屋全体を効率的に短時間で暖めることができ、広い部屋や複数人が使用する空間に適しているといえるでしょう。また、夏と冬の室温調整を1台で済ませられる利便性の高さも特徴です。
電気代や設置環境だけでなく、家族構成や生活スタイルに合わせて最適な暖房機器を選ぶことが、快適な冬の暮らしにつながります。
出典
ダイキン 仕様(スペック)S404ATEP-W
パナソニック 床暖房システム:電気床暖房 フリーほっと
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー