電気代節約のために「帰省中は24時間換気を切ろう」という夫。本当に切っても大丈夫? 1週間でどれだけ「節約」になる? 電気代や注意点を解説
配信日: 2024.12.31
とはいえ、24時間換気を止めてしまったときの影響も気になるものです。短期間とはいえ、止めてしまっても大丈夫なのでしょうか?
本記事では、24時間換気の電気代の計算方法と、換気を止めることでどんな影響が考えられるのかを解説します。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
24時間換気の電気代は? 計算してみよう!
まず、24時間換気にかかる電気代を調べてみましょう。電気代は以下の式を使って計算できます。
電気代=消費電力(ワット)÷1000×使用時間(時間)×1キロワットアワーあたりの電気代単価(円)
そのため、24時間換気の電気代を知るためには、消費電力と電気代の単価を把握する必要があります。例えば筆者の自宅の24時間換気は、浴室に設置されている換気扇で行われており、操作パネルにて型番の確認ができました。
続けてメーカー公式Webサイトで取扱説明書を閲覧し、24時間換気機能の消費電力は5ワットから14ワットということを確認。今回は多めに見積もって14ワットという数字を使いましょう。
また、電気代単価は領収書や使っている電力会社の公式Webサイトで確認できます。筆者の場合は、1キロワットアワーあたりの単価は40.49円。ここから燃料調整額で6.33円が引かれ、再生可能エネルギー発電促進賦課金で3.49円が加算されるため、実際の単価は37.65円となります(ただし、2024年12月検針分の単価なのでほかの月は異なる)。
これらの数値から導かれる、筆者の自宅の24時間換気のコストは以下の通りです。
1時間あたりの電気代=14(ワット)÷1000×1(時間)×37.65(円)=約0.53円
1週間(168時間)つけっぱなしにしても約89円に収まります。つまり、大きな負担ではありません。もちろん、各家庭の設備や電気代単価で変わってくるので、同様に計算してみると良いでしょう。
24時間換気は止めていいの?
24時間換気は、室内の空気を循環させるために設置されており、住環境を守るために重要な役割を果たしています。24時間換気システムは2003年の建築基準法改正により、新築住宅には設置が義務付けられた設備です。そのため、このシステムは住宅の設計や健康維持において欠かせないものとなっています。
24時間換気を止めることで、家財から発生するホルムアルデヒドやハウスダスト、カビ、ダニなどが室内に貯まりやすくなり、シックハウス症候群を発症するなど、身体に影響が出る可能性があるのです。なお、シックハウス症候群とは、住宅内の有害物質が原因で発生する健康被害のことをいいます。
また、24時間換気を止めたときの影響はそれだけではありません。24時間換気を止めると結露が発生しやすくなると言われています。湿気がこもることで結露が発生し、結果家の寿命を縮める原因になるかもしれないのです。
これらの問題を避けるため、短期間であっても換気を止めるのは推奨されません。健康を維持し家を長持ちさせるためには、換気を継続することが大切です。
わずかな節約よりも健康と家を守ろう
24時間換気を1週間止めることで節約できる電気代は約89円です。これに対し、換気を止めることで発生する湿気や有害物質の蓄積、さらには家の劣化などのリスクは決して小さくありません。
もちろん、1週間止めただけで必ず影響が出てくるとはいえませんが、長期的に見ればこれらのリスクが蓄積される可能性があります。24時間換気を止めないほうが結果的に得策といえそうです。わずかな電気代の節約よりも、家族の健康や家の長持ちを優先したほうが良いのではないでしょうか。
出典
国土交通省 シックハウス対策について知っておこう。
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士