電気料金は住む地域により違うのですか? 差がある場合はどうしてでしょうか? 安い地域だと生活費がおさえられてうらやましいです。
配信日: 2025.01.12
本記事では、地域ごとに電気料金が異なる理由や地域別の電気料金について解説します。また、電気料金を節約するためのポイントも紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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電気料金は住む地域によって異なる
電気料金が住む地域によって異なるのは、電力会社によって発電コストや送電コストに差があり、それが電気料金の単価に反映されるためです。
電力会社の発電方法には石炭火力発電、石油火力発電、LNG火力発電、原子力発電、洋上風力発電などいくつかありますが、それぞれで発電コストが異なります。
経済産業省資源エネルギー庁の「電気をつくるには、どんなコストがかかる?」によると、LNG火力や原子力は比較的コストが低い傾向がある一方、石油火力や洋上風力、小水力、バイオマス発電(専焼)などはコストが高いとされています。
電源構成は電力会社によって異なりますが、この電源構成の違いが電気料金に影響を与えています。また、発電所と変電所の距離が離れているほど、送電にかかる設備費用が増大しやすいことも影響しているとされています。
大手電力会社の電気料金比較
NOWALL株式会社(東京都千代田区)が発表した「大手電力会社10社の電気料金ランキング」(調査期間:2020~2023年)によれば、大手電力会社10社の電気料金の平均額は以下のとおりです。
1位 関西電力 4709円
2位 沖縄電力 4950円
3位 九州電力 5424円
4位 北陸電力 6012円
5位 中部電力 6051円
6位 東京電力 6075円
7位 東北電力 6130円
8位 中国電力 6272円
9位 四国電力 6900円
10位 北海道電力 7528円
※40アンペアで契約した場合
※1ヶ月の電気使用量が180キロワットアワーの場合
この調査から、電力会社によって電気代には大きな差があることが分かります。例えば関西電力と北海道電力では2819円、四国電力とは2191円の違いが見られます。
地域別の電気料金の平均
総務省統計局が公表した「家計調査(家計収支編)2023年」によると、地域別における二人以上世帯の平均電気代は、図表1のとおりです。
【図表1】
地域 | 電気代 |
---|---|
全国平均 | 1万2265円 |
北海道地方 | 1万3059円 |
東北地方 | 1万5020円 |
関東地方 | 1万1876円 |
北陸地方 | 1万5992円 |
東海地方 | 1万2316円 |
近畿地方 | 1万1088円 |
中国地方 | 1万4331円 |
四国地方 | 1万3359円 |
九州地方 | 1万605円 |
沖縄地方 | 1万962円 |
※総務省統計局「家計調査(家計収支編)2023年」をもとに筆者が作成
大手電力会社の電気料金と同様に、関西、九州、沖縄地方では電気代が比較的低い傾向が見られます。一方で、東北、北陸、北海道、中国、四国地方などでは、全国平均と比べても電気代が高い傾向となっています。
電気料金を節約するポイント
日常生活で少し工夫や見直しをするだけで、電気料金を削減できる可能性があります。電気料金を節約するためのポイントは、以下のとおりです。
・契約しているアンペア数を見直す
・新電力会社への乗り換えを検討する
・暖房器具や家電製品の使用方法を見直す
電気料金は契約しているアンペア数によって基本料金が異なるため、まずは現在のアンペア数が適切かどうかを確認しましょう。使用電力とアンペア数を見直し、必要以上の契約になっている場合はアンペア数を下げることで、電気料金を削減できる可能性があります。
さらに、新電力会社への切り替えや他の料金プランを検討することで、電気料金が下がるケースもあります。
また、暖房器具や家電製品の使い方を工夫するのもおすすめです。例えば、経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、エアコン(暖房)の設定温度が20度の場合、使用時間を1日1時間短縮するだけで、年間約1260円の節約が可能です。
電気代が高い地域では、さらに節約を意識しよう!
電気料金は、地域・電力会社によって異なります。しかし、電気料金が高いからといって、安い地域への引っ越しを決断するのは簡単なことではありません。
日々の工夫を重ねて、電気料金を少しでも節約することが現実的な対策となります。地域ごとの電気料金の違いを理解したうえで、節約を意識して電気代をおさえていきましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 電気をつくるには、どんなコストがかかる?
NOWALL株式会社 大手電力会社の電気料金ランキング
総務省統計局 家計調査(家計収支編) 2023年 第1-1表
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約 エアコン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー