災害対策も兼ねて「石油ストーブ」の導入を検討中。日中「8時間」使用した場合、費用は「電気ストーブ」と比べてどれだけの差になりますか?
配信日: 2025.01.14
能登半島地震のように、冬場に災害が発生したとき活躍してくれるのが、電気を必要としない石油ストーブです。しかし、電気ストーブの存在が一般的になっている昨今、石油ストーブを使用するためには、どの程度費用がかかるのか分からない人も多いでしょう。
本記事では、災害対策用に石油ストーブを導入した場合、電気ストーブを使用したときと比べて、どの程度費用に差が生まれるかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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石油ストーブと電気ストーブの特徴
まずは、石油ストーブと電気ストーブそれぞれの特徴について紹介します。それぞれの優れている点をチェックしていきましょう。
石油ストーブの特徴
石油ストーブとは、灯油を燃焼させて暖を取る暖房器具のことです。石油ストーブ最大の特徴は暖房能力の高さで、すぐに部屋を暖められます。また、電気を必要としないため災害時でも問題なく使用でき、上部の熱板を利用すれば調理も可能です。
便利な活用方法もある一方で、定期的な換気が必要な点が石油ストーブのデメリットです。石油ストーブは、灯油を燃やすために空気中の酸素を消費します。そのため、密閉空間で長時間使用し続けると、一酸化炭素中毒を引き起こしかねません。
また、やけどや火災のリスクも電気ストーブと比べて高いため、使用中は目を離さないようにする必要があります。
電気ストーブの特徴
電気ストーブとは、その名のとおり電気が動力の暖房器具のことです。電気ストーブは手軽さが最大の特徴で、コンセントを挿して電源を入れるだけですぐに使用できます。また、石油ストーブよりも軽量で持ち運びやすい機種が多いこと、安全性が高いことなども電気ストーブの特徴です。
一方で、電気ストーブの弱点として、停電すると一切使えなくなってしまう点が挙げられます。そのため、地震をはじめとする災害発生時にライフラインが停止してしまい、使用できないケースも少なくありません。また、広い部屋を暖めるのに時間がかかる、電気代がかかるなども電気ストーブの弱みです。
石油ストーブと電気ストーブの費用比較
石油ストーブと電気ストーブをそれぞれ8時間使用した場合の運用コストは、以下の計算式で算出できます。
●電気ストーブの電気代:消費電力(W)÷1000×電気料金単価(kWh)×8時間
●石油ストーブの灯油代:燃料消費量(リットル/アワー)×8時間×1リットルあたりの灯油代(円/リットル)
今回の計算では、電気ストーブの消費電力を1000W、石油ストーブの燃料消費量を0.218リットル/アワーに設定します。そして、電気料金の目安単価を31円/キロワットアワー、1リットルあたりの灯油代を122.3円(経産省資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」から、2024年12月23日時点の店頭価格)とした場合、次のような結果になります。
●電気ストーブの電気代:1000W÷1000×31(kWh)×8時間=248円
●石油ストーブの灯油代:0.218リットル/アワー×8時間×122.3円/リットル=約213円
以上の計算から、石油ストーブのほうが電気ストーブよりも運用コストがやや安くなることが分かります。
ただし、電気ストーブは機種によって消費電力が異なり、石油ストーブには灯油価格が変動するリスクがあります。必ずしも石油ストーブのほうが安くなるわけではない点に注意しましょう。
使い分けがポイントになる
石油ストーブと電気ストーブそれぞれの特徴、そして両者の運行コストについて取り上げてきました。基本的に石油ストーブのほうが運用コストは安くなりますが、電気ストーブは気軽に使用しやすく、安全性が高い強みがあります。
どちらか一方だけを使用するのではなく、普段は扱いやすい電気ストーブ、停電したときやすぐに部屋を暖めたいときは石油ストーブのように、状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。
出典
全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
資源エネルギー庁 石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー