太陽光パネル設置は電気代節約にならない!? 太陽光パネルのメリットや思わぬ落とし穴について解説
配信日: 2025.01.18
太陽光パネルの小型化やコストダウンが進んでおり、一般家庭でも導入が可能な状況になってきました。自家発電による電気代の節約などを理由に、導入を検討する家庭も少なくないでしょう。
その場合に気になるのは、太陽光パネルを設置することで本当に節約効果があるのかどうかでしょう。導入前に詳しく知っておきたいと考える方は多いはずです。
そこで本記事では、太陽光パネルを設置するメリットとデメリットや、節約効果について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家庭用太陽光発電のメリット
太陽光発電とは、太陽による光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電することです。近年、注目されている再生可能エネルギーの代表格であり、発電された電気エネルギーはさまざまな用途に使われています。太陽光発電におけるメリットは以下の通りです。
・エネルギー源が枯渇しない・環境保全につながる
・余剰電力を売却することで、売電収入が得られる
・停電時のための予備電力になる
化石燃料を燃やして発電する火力発電とは異なり、太陽光発電では大気汚染物質が発生しないため、環境保全につながります。また、化石燃料は限りある資源ですが、太陽光は基本的には尽きる心配がないといえるでしょう。
また、太陽光発電によって得られた電気は自分で消費できるため、電気代の節約につながります。さらに、余剰電力は電力会社に売却できるため、発電量によっては収入になるケースもあるのです。
地震大国である日本では、災害対策が必要不可欠といえます。災害時には停電が起こる可能性がありますが、太陽光パネルで発電した電気を貯めておけば緊急時の備えにもなります。
家庭用太陽光発電のデメリット
家庭用太陽光発電にはメリットが多いものの、デメリットも存在します。導入を考えている方は特に、デメリットにも目を向けて検討するとよいでしょう。家庭用太陽光発電におけるデメリットは以下の通りです。
・初期費用が高額なため、費用を回収するまでに時間がかかる
・太陽光パネルを設置できない家もある
・発電量が天候や気候に左右されるため、安定しない
・維持管理に費用と手間がかかる
・施工不良の可能性がある
環境により差があるものの、太陽光発電協会では発電設備1kW当たりの年間発電量を約1000kWhとしています。
環境省によると、世帯当たりの年間電気使用量は4175kWhほどとされているため、4.5kWの太陽光発電を設置することが一般的です。計算上は、太陽光発電により家庭で使用する電力をまかなえることになります。
資源エネルギー庁によると、家庭用太陽光発電の設置費用の平均は1kW当たり28.4万円とされています。そのため、家庭で使用する電力をすべて太陽光発電で賄おうとすると、約127.8万円の設置費用が必要です。
コストダウンが進んでいるとはいえ、かなり高額な支出となります。初期費用が高額な分、費用を回収するまでにはかなりの年数がかかるでしょう。行政の補助金制度を利用すれば初期費用を抑えられますが、高額な支出になることに変わりはありません。
また、設置スペースや耐震基準、屋根の状況などによっては太陽光パネルを設置できないこともあります。さらに、既存の住宅では、太陽光パネルの設置を想定していないケースも少なくありません。
なお、太陽光発電における大きなデメリットは、気候などによって発電量が左右される点です。夜間は発電できず、曇りや雨の日には発電効率が低下します。地域によって日照時間は異なるため、発電量は変わるでしょう。発電量が節約効果に直結するため、節約効果を予測しにくい側面もあります。
また、太陽光パネルの設置工事を行う際には施工不良の可能性が生じる可能性があり、業者選びは重要です。
節約にはなるが、長期的な視点が必要
太陽光パネルの設置には多額の費用がかかるため、初期費用を回収するためには長い年数が必要になります。とはいえ、自家発電した電力を日常生活で利用できることから、太陽光パネルの設置による節約効果はあるといえます。
出典
資源エネルギー庁 太陽光発電についてP37
太陽光発電協会 Q.太陽光発電により、家庭で使用する電気を全部まかなえますか?
環境省 家庭のエネルギー事情を知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー