将来の家計管理に「不安」を感じていませんか? 「キャッシュフロー表」を活用して、安心のライフプランを作る方法を紹介

配信日: 2025.01.22

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将来の家計管理に「不安」を感じていませんか? 「キャッシュフロー表」を活用して、安心のライフプランを作る方法を紹介
家計の収支を10年、20年、30年の期間にわたって検討してみたいと思う人は多いことでしょう。
 
若い世代、熟年、シニアの既婚家庭、おひとりさま家庭と家計の単位はさまざまありますが、家計管理においては、どの場合でも収入と支出を時系列で見ることが大切です。
 
今回は、そのために役立つ、家計のキャッシュフロー表について学んでみましょう。
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

家計のキャッシュフロー表とは

家計のキャッシュフロー表は、個人の家計の収入と支出を30年程度の期間を設定して長期的な目線で見られるようにしたもので、主にファイナンシャルプランナーなどが作成することが多いです。内容としては、家族の「年齢」「年ごとの収入と支出」「お金の残高」を一定期間について表にします。
 
次の表は、40歳前後の夫婦の家計のサンプルキャッシュフロー表です。
 


表は筆者が作成
 
実際の表では、子どもなどが追加され、収入や支出の内訳も詳細に記入します。
 
したがって、30年程度の期間のキャッシュフローは、タテの行数が35~40行、横の列数も35列の表になります。
 

キャッシュフロー表の構成

キャッシュフロー表を作るときに大事なことは、以下のような項目をできるだけ一つの表で見えるように工夫することです。サンプル表では、大きな項目ごとの合計を記載してありますが、実際の表では以下の内容を詳細に記入します。
 
「年齢」「経過年数」:夫婦、子どもたちの年齢と作成開始年からの経過年数
「収入」:収入の種類(給料、年金、退職金、その他収入)を年単位で記入
「支出」:日常生活費、税金などの非消費支出、教育費、住宅ローンを含む住居費などを年間額で記入
 
「収支」は1行ですが、「貯蓄残高」「資金運用」については、合計額で記入し、内訳などは別表で管理するのが一般的です。
 

キャッシュフロー表作成のメリット

キャッシュフロー表を作成しておく最大のメリットは、30年~50年の間に家族の中で起きるさまざまなできごと(ライフイベント)に対して、掛かる費用を予測して、家計全体の収支に反映させられることです。ほかにも以下のようなメリットが考えられます。
 

・将来の家計の収支と残高を「見える化」することによって、将来の収支についての漠然とした不安をなくすことができます。

 

・ライフイベントごとの支出額を具体的な金額で表示することで、資金の捻出計画を具体化できます。

具体的には、「住宅資金」「教育資金」「車の買い替え」「老後資金」「自宅のリフォーム資金」「子どもの結婚に際しての資金」などが考えられます。
 

・20年~30年後の家計の貯蓄残高を簡単にシミュレーションできます。

収入・支出の数値を変更すると、貯蓄残高に反映されるようになっています。
 

どのようにしてキャッシュフロー表を作成するか

キャッシュフロー表を作成するには、いくつかの方法があります。
 
・自分で作成する
自分で作成する場合、日本FP協会から公開されているキャッシュフロー表を使用するのが便利です。日本FP協会のホームページ(※1)にある「家計の収支確認表ダウンロード」からexcel版が入手できます。
 
excelの初歩の知識があれば、自分で作成した表に簡単な計算式を入れれば、収入・支出・貯蓄残高を連動させることは可能ですが、日本FP協会の表はあらかじめ計算式が埋めこまれているので便利です。
 
・市販ソフトを利用する
キャッシュフロー表を使った家計管理の市販ソフトは有償・無償さまざまありますので、自身に合ったソフトを使用することが可能です。家計簿アプリとセットのソフトや、キャッシュフロー表に特化したソフトなどがあります(※2~5)。
 
・ファイナンシャルプランナー(FP)に依頼する
市販ソフトやFP協会の無料ソフトを使用するのも一つの方法ですが、独立系のFP事務所に依頼するのも選択肢として考えられます。作成費用は、3万円程度からありますが、少し時間をかけて探してみるのも方法のひとつです。
 
住まいの近くのFPが便利かもしれませんが、最近はオンラインを使用してデータをやり取りし、オンライン(Zoomなど)での面談をすることで、キャッシュフロー表の作成依頼も可能な場合があります。
 
また、初年度のみFPに依頼して、2年目以降は自力で更新するのが、最も合理的でおすすめです。
 

まとめ

キャッシュフロー表の概要と作成するメリット、そして誰に依頼して作成するのかについてまとめてみました。キャッシュフロー表は家計管理に便利で有効なツールですので、新しい年のはじめにチャレンジしてはいかがでしょうか。
 

出典

(※1)日本FP協会 便利ツールで家計をチェック
(※2)Money Teacher Systemキャッシュフロー表(家計分析レポート)
(※3)株式会社アレシア キャッシュフロー表を作成できるアプリ・ソフト10選
(※4)一般社団法人全国銀行協会 ライフプランシミュレーション
(※5)日本FP協会 ライフプラン診断
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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