最近クレカの利用が増え、出費が増えています。それに加えて「カーローン」を組みたいのですが、今の状態では難しいでしょうか?
配信日: 2025.01.24
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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目次
クレジットカードの利用整理
まずはクレジットカード利用を整理して、効率よく返済していく方法があるかを確認しましょう。
Aさんの年収を、30代男性の平均年収約450万円と想定して話を進めます。
未払い残高の繰り上げ返済を優先
手元の余剰資金やボーナスを活用して、できるだけ早く残高を減らすことを優先事項として取り組みましょう。
特に早く対応しなければならないのは、リボ払いです。毎月の返済額の上限が設定されていて、負担感が薄いように感じますが、残高返済を先延ばしにしているだけです。支払期間が長くなる分、金利支払いに充当されますから思ったように残高が減りません。リボ払いの見直しも含め、未払い残高をできるだけ減らすように前倒しで返済をすすめましょう。
金利が高いカードから優先的に返済
発行されたクレジットカード会社によって、設定されている金利は異なります。高い金利のカードはどれかを見極めて、優先的に返済するようにしましょう。
利用限度額の上限設定
クレジットカードを作成したときに設定した、利用限度額は覚えているでしょうか? 使いすぎを防止するには、使用頻度を減らすという強制力が薄い方法よりも、利用枠に自分で上限を設定するのが効果的です。契約時の書面や、公式サイトのマイページで確認してください。
目安としてクレジットカード支払いを、手取りの10%以内に抑えるというように枠を設定すると、返済に困窮する可能性は低くなります。
デビットカードや現金払いの併用
デビットカードは、状況により受け付けてくれない場合もありますが、銀行口座から直接引き落とされるので、金利がついて返済するクレジットカードに比べて総支払額が抑えられます。現金払いも併用することで、余分な金利支払いを抑えましょう。
車のローン負担の目安
次に、車のローンを検討する際の具体的な負担目安について確認しましょう。
家計に無理のない範囲として一般的には、月々の車のローン支払額は手取りの15~20%以内に抑えることが望ましいといわれています。年収450 万円とすれば手取りは360万円、月額では30 万円という計算になります。その場合は、月額4万5000~6万円が目安です。
さらに、月々の支払い負担を軽減するために頭金を準備するというのは有効な方法です。理想をいうと、車両価格の20~30%、300万円であれば60~90万円用意できればかなり余裕が出ます。
その他の維持費を考慮
ローン以外の費用(保険料、ガソリン代、メンテナンス費用、税金)も、毎月1~2万円程度必要であることも把握しておきましょう。家計運営はこれらすべてを含めた全体の負担として把握し、クレジットカード払いでの日常の買い物と車関連費用を、収入の一定の割合以下にとどめられるようにシミュレーションしてください。
まとめ
コロナ禍以来、日本でもカード決済が一気に普及しましたが、同時に「いくら使ったか」という感覚が薄れてしまって、請求書を見て驚くというケースは増えています。
現金を持ち歩かなくてよい、ポイントがたまるなどの利点があって出費という意識なく使いがちですので、初めから利用限度額を設定しておくこと、カード払いが予想を超えて多くなってしまった場合は、深刻な事態になる前に積極的に返済することが大切です。
カーローンについては、頭金を活用するなど月額返済額を手取りの15~20%以内に抑えることを意識しましょう。
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者