友人の勤める会社は「大手企業」で「社食」が完備されているそうです…。日本で「社食」がある企業って珍しいはずですよね?
配信日: 2025.02.05

とはいえ社食は、すべての企業に設置されているわけではありません。本記事では、社食を設置している企業が日本にどれくらいあるのか、その割合や実態について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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日本にある企業の社食設置状況
独立行政法人労働政策研究・研修機構は2020年に、10人以上規模の民間企業1万2000社とそこで働く従業員約5万4000人を対象に実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」の調査結果を公表しました。
本調査によると、福利厚生制度・施策として「食堂」を導入している企業の割合は24%にのぼりました。
この結果を踏まえると、今回の相談者のように「社食がある企業は珍しい」とは言い切れないようです。100社につき約24社が社食を備えている計算になるため、メジャーではないにしても、社食は比較的なじみがある福利厚生といえるでしょう。
なお食堂ではないものの、同調査によれば、「食事手当」を施策として取り入れている企業は20.6%ありました。5社に約1社が食事関連のサポートを従業員にしているようです。さらに「外部飲食店で利用できる食券等の配布」をしている企業は2.2%ありました。
食堂を導入している企業の実態
同調査より、「食堂」を導入している企業の規模を見ると、以下の結果でした。
●30人未満:16.5%
●30~99人:29.2%
●100~299人:37.5%
●300人以上:48.1%
従業員規模が大きい企業ほど、食堂導入率が高いようです。「食事手当」についても近い傾向が見られました。
社食の価格相場はどれくらい?
社食の価格は企業によって異なり、1食につきいくらかは断定できません。また同じ社食であっても食事内容によって違いがあるでしょう。
ただ一般的には、おおよそ300~500円ほどの価格設定になっているようです。例えば、熊本市のある病院では、350円でビュッフェランチを提供しています。
社食は比較的安価に提供されているといわれることがありますが、その理由としては、おもに福利厚生としての一面を持ち、利益追求目的でないことも関連するでしょう。
ただし企業によっては高品質食材やメニューの多様化に力を入れるゆえに、価格がそれほど安価に設定されないケースもあるようです。
社食の宅配サービスも提供されている
最近では社食の宅配サービスも提供されているようです。社食の宅配サービスとは、常設の食堂で食事を提供する代わりに、外部から食事をデリバリーしてもらうサービスのことです。
社内にある冷蔵庫やスペースに食事が並べられ、従業員がそこから食事をピックアップする形態のサービスもあります。
これらのサービスは、厨房(ちゅうぼう)や巨大な冷蔵庫などの設備をそろえずに、低コストで社食環境を構築できる点がメリットです。
社食の導入企業は24%ほど存在する
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果によれば、社員食堂を導入している企業は24%もあります。社食がない企業の方が多いようですが、導入している企業も決して珍しいわけではありません。また、従業員の数が多い企業ほど、社食の導入傾向が高いことも分かりました。
一般的に社食で提供される料理は安価ですが、企業によって価格はまちまちです。最近では社内に常設される食堂の代わりに、デリバリーサービスや置き型社食サービスを導入する動きも見られます。
出典
独立行政法人労働政策研究・研修機構
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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