新生活で賃貸物件を探しています。「都市ガス」と「プロパンガス」は月にどれくらい費用が変わりますか?
配信日: 2025.02.06

本記事では、都市ガスとプロパンガスの特徴や料金の違い、ガス代を節約するための工夫について詳しく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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都市ガスとプロパンガスの料金の違い
都市ガスとプロパンガスでは、使用料金に大きな差が生じることが特徴です。表1は、東京ガス株式会社と一般財団法人日本エネルギー経済研究所「石油情報センター」のホームページを基にそれぞれの使用料金をまとめたものです。
表1
1ヶ月あたりの使用量 | 都市ガス (2025年2月検針分・一般料金) |
プロパンガス (2024年12月公表分・関東局) |
---|---|---|
5立方メートル | 1592円 | 5266円 |
10立方メートル | 2425円 | 8616円 |
20立方メートル | 4092円 | 1万5085円 |
50立方メートル | 8647円 | 3万3330円 |
※筆者作成
表1より、1ヶ月に5立方メートルのガスを使用した場合、プロパンガスの月額料金は5266円ですが、都市ガスの月額料金は1592円と、差額は約3700円にもなります。
また、使用量が増えるほど差額は大きくなり、50立方メートル使用する場合では、プロパンガスの月額料金3万3330円に対し、都市ガスは8647円と、2万4000円以上の差額が生じます。
日常的にガスを多く使用する家庭や長期的な居住を考える場合、都市ガス物件を選ぶことで大幅な節約が可能と考えられます。
都市ガスについて
都市ガスは、地下に埋設されたガス導管を通じて供給される仕組みです。プロパンガスは、業者によるガスボンベの定期配送に伴う費用がガス料金に反映されるため、結果的に料金が高くなる傾向があります。
一方の都市ガスは導管を通じて直接供給されるため、ガスボンベの配送コストが不要で、ランニングコストを抑えられる点が特徴です。
なお、2017年に都市ガスの小売全面自由化が実施されました。消費者は複数のガス会社から選べるようになったため、ガス会社間での価格やサービス競争が活発化しています。
都市部では多くのガス会社が競合しているため、消費者にとっては選択肢が広がり、低コストなプランを選べる可能性が高まっています。都市ガスは安定した供給に加え、料金体系の選択肢が多いことが特徴のひとつです。
プロパンガスについて
プロパンガスは、分散型エネルギーとして個別のユーザーに供給される仕組みを持っています。災害発生時に供給が中断した場合でも、個別の設備ごとに点検や修復が行われるため、迅速な復旧が期待できるでしょう。また、避難所や仮設住宅へのガス供給も可能なため、災害時には重要なエネルギー源としての役割を果たします。
なお、プロパンガスの大きな特徴として、高い発熱量が挙げられます。1立方メートルあたり約2万4000キロカロリーの発熱量を持つプロパンガスは、都市ガスの約2.2倍の発熱量を誇っているのです。
高い発熱量により、調理や暖房などで効率よくエネルギーを活用することが可能です。調理時には短時間で鍋やフライパンを加熱できるため、業務用の厨房(ちゅうぼう)や工場などでも効率的に作業を進められます。
ガス代を節約するためのポイント
ガス代を抑えるためには、日常生活のちょっとした工夫が大切です。冷凍食材を調理する際、解凍せずにそのまま加熱すると調理時間が長くなり、余分なガスを消費してしまいます。
一方、事前に自然解凍しておけば加熱時間を短縮でき、ガス代の節約に効果的です。夕食で使用する冷凍食材を朝のうちに冷蔵庫に移す習慣をつけておくと、ガス代を節約できるでしょう。
また、給湯温度を高く設定しすぎると、お湯を沸かすために多くのガスを消費することになります。入浴や洗い物で使う温度を適温に調整することで、余分なエネルギーを削減することが可能です。
5立方メートルの使用でも3700円ほどの差額となる場合がある
都市ガスとプロパンガスの料金差は、一人暮らしでは月数千円、家族世帯であれば月数万円にまで広がる可能性があります。今回調べた限りでは、5立方メートルの使用量で約3700円の差があるため、長期間の利用を考えると都市ガスのほうが経済的でしょう。
また、日々の生活の中で、食材を自然解凍して調理したり、給湯温度を適温にしたりすることで、ガス代の節約効果が期待できます。都市ガスとプロパンガスの選択のみでなく、ガス代を節約するコツも覚えておきましょう。
出典
一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター 最新価格情報 LPガス月別
東京ガス株式会社 東京地区等 ガス料金早見表(2025年2月検針分に適用される料金です)(4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー