10年以上前に県外の地方銀行で作った通帳に「10万円」ほど残っていることに気づきました。このお金って引き出せますか?
配信日: 2025.02.06

本記事では、休眠預金の仕組みや引き出し方法、休眠預金になるのを防ぐためのポイントについて紹介します。必要な手続きや注意点を確認し、放置していた預金をしっかりと管理しましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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昔の口座に残っていた預金もおろせる
学生時代に地方銀行で作った口座に預金が残っていた場合、引き出すことが可能です。10年以上取引がない預金は「休眠預金」と呼ばれますが、2009年1月以降に最後の取引があった預金であれば、引き出しに期限はありません。
休眠預金を引き出すには、通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持参し、口座を作った金融機関に相談してください。ただし、場合によっては事務手続きに時間がかかることもあるため、事前に金融機関へ問い合わせるとスムーズです。
休眠預金になるのを防ぐために
休眠預金の残高そのものはなくなるわけではありませんが、通常の手続きよりも引き出すのに時間や手間がかかることがあります。そのため、長期間利用予定がない口座は早めに解約を検討するのがおすすめです。
また、長期間利用がない口座に対して管理手数料が発生する場合もあるため、放置するのは避けたほうがよいでしょう。
なお、休眠預金を防ぐためには、10年以内に口座の取引履歴を作ることが大切です。具体的には、入出金、口座振替、通帳の記帳、ATMでの残高照会などの操作を行えば、口座を利用する意思があると見なされ、休眠口座としては扱われません。
電子公告は、最後の取引日から9年が経過してから10年6ヶ月が経過するまで、ホームページ上に掲載されます。公告開始から移管までの猶予期間が2ヶ月から1年程度あるため、この期間内に対応を済ませるようにしましょう。
銀行口座をうまく活用するポイント
銀行口座をうまく活用すれば、家計の管理や貯蓄がスムーズに進むようになります。生活費用・貯蓄用・緊急用と、目的ごとに複数の口座を持つことで、お金の流れを明確にし、効率よく管理できます。
給料の振り込みや日々の買い物、光熱費、家賃などの支払いに使うための生活費用口座を作ることで、毎月どのくらい生活費が必要なのかを把握しやすくなります。クレジットカードやデビットカードの引き落としもこの口座に紐づけると、収支を一目で確認できるでしょう。
また、貯蓄用口座は、将来の目標に向けてお金をためる専用の口座です。貯蓄用口座をうまく活用するためには、ためたお金に手をつけないことが大切です。
目標額に到達するまでは、生活費用口座から計画的に資金を移し、貯蓄ペースを維持しましょう。定期預金や積立型の貯蓄商品を活用すると、さらにためやすくなります。
一方の緊急用口座は、突然の出費に備えるためのお金を確保する口座です。冠婚葬祭や病気、失業、自然災害など、予想できない出費が発生した際に役立ちます。緊急用として生活費の3~6ヶ月分を目安に確保しておくと、急な経済的負担にも対応できるでしょう。
なお、家族がいる方や自営業の方は、余裕を持たせるために生活費用口座に給与が振り込まれたらすぐに貯蓄用口座と緊急用口座に必要額を振り分ける習慣をつけましょう。給与の一定額を最初に貯蓄用口座に移す「先取貯金」を取り入れると、計画的に貯蓄できます。
学生の頃に作って放置していた口座でも預金は引き出せる
長期間放置された口座の預金は、適切な手続きによって引き出すことが可能です。ただし、引き出しには手間がかかるため、使わない口座は解約を検討し、利用予定のある口座は定期的に取引履歴を更新することが大切です。日ごろから口座の状況を確認し、大切な預金を適切に管理しましょう。
また、銀行口座を目的別に分けて活用することで、家計管理や貯蓄がより効率的になります。生活費用口座、貯蓄用口座、緊急用口座を使い分け、収支を明確化しながら計画的に資金を管理しましょう。
出典
金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー