久々にスーパーで「お寿司」を買ったら、醬油がついてなかった! これって「物価高」の影響なの? 物価・実質賃金の推移とあわせて解説
配信日: 2025.02.11

本記事では、しょうゆの価格推移や実質賃金の推移、そして全体的な物価高の影響について解説します。

執筆者:渡邉志帆(わたなべ しほ)
FP2級
しょうゆは5年間で56円上がっている
農林水産省が公表しているデータによると、しょうゆ1リットルあたりの全国平均小売価格は次のように推移しています。
・令和2年1月:287円
・令和7年1月:343円
このように、しょうゆの平均価格は5年間で56円値上がりしました。その値上げの要因として、しょうゆメーカーは、大豆や小麦などの原材料価格や物流費等の上昇を挙げています。
こうした事情から、スーパーではコスト削減策の一環として、おすしに付属していたしょうゆを取りやめる動きが増えているのかもしれません。
しょうゆ以外の物価も上昇している
しょうゆだけでなく、私たちの生活に関連する商品やサービスの価格が上昇傾向にあります。
総務省が2025年1月に公表した「2020年基準 消費者物価指数」によると、総合指数は2020年を100とすると2024年12月は110.7、前年同月比は3.6%の上昇となっています前年の同月(2023年12月)と比較して、特に変化が大きかったのは以下の2部門です。
食料
食料全体で6.4%上昇しており、穀類(15.2%増)や生鮮野菜(27.3%増)が大きく影響しています。その中でも、キャベツ(125.7%増)やうるち米(65.5%増)が顕著に変化しています。
光熱・水道
光熱・水道費は、全体で11.4%上昇しました。特に、電気代(18.7%増)やガス代(7.8%増)の値上がりが目立ちます。これらは生活に欠かせない固定費であり、多くの家庭にとって重い負担となっているのではないでしょうか。
このように全体的な物価が上昇しているなかで、物価上昇に見合った賃金の引き上げがなければ、生活がさらに厳しくなる可能性があります。
実質賃金は3ヶ月連続マイナス
総務省が公表している「毎月勤労統計調査」によると、物価変動を反映して算出される実質賃金は2024年年11月分の確報では前年同月比で0.5%増と、4ヶ月振りにプラスとなっています。
ただし、これはボーナスなど特別に支払われた給与の大幅増加が大きく影響しているとみられます。つまり、物価が上昇しているのに、私たちがもらっている給料がまだまだそれに追いついていないということを意味します。
スーパーのおすしに付属していたしょうゆがなくなりつつあるように、日常生活でさまざまな場面で、値上げや内容量の減少などを感じる場面は増えていますよね。賃金が物価上昇に見合うほど上がっていない今、これまでと同じような生活を続けるためには、固定費の見直しや食品ロスなどに力を入れることが重要になってくるでしょう。
まとめ
しょうゆがついていないおすしは、一見ささいな日常の変化に見えますが、その背景には物価上昇という問題が関係しています。食品だけでなく光熱費や生活用品などの分野でも価格が上昇しています。自分の消費行動を見直したり、政府の政策に注目したりして、自分の生活の満足度を上げていくとよいでしょう。
出典
総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国2024年(令和6年)12月分及び2024年(令和6年)平均
農林水産省 食品価格動向調査(加工食品)の調査結果 令和2年1月(1月13日~1月15日)の調査結果(全国平均)
農林水産省 食品価格動向調査(加工食品)の調査結果 令和7年1月(1月14日~1月16日)の調査結果(全国平均)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年11月分結果確報
執筆者:渡邉志帆
FP2級