子どもが生まれるので「オイルヒーター」を購入したい! でも電気代が「2倍」かかる場合もあるって本当?「8時間」使用した場合で比較
配信日: 2025.02.12

本記事では、エアコンとオイルヒーターの電気代比較や、オイルヒーターのメリット・デメリットなどを紹介します。

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
オイルヒーターの仕組み
オイルヒーターは、フィンと呼ばれる金属パネルが数枚組み合わされた構造です。フィン内にはオイルが密封されており電気で暖めます。暖められたオイルはヒーター内を循環してフィンが加熱され、フィンからの放熱で室内が暖まるのです。
オイルヒーターとエアコンの電気代比較
オイルヒーターとエアコンは電気代にどのくらいの差が出るのでしょうか。10~13畳用のオイルヒーター(電力を強/中/弱の3段階に切り替え可能なもの)と、12畳用のエアコンについて、1日8時間運転したケースで確認してみましょう。
図表1
デロンギ・ジャパン株式会社 ユニカルド オイルヒーター、経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ電子版 より筆者作成
図表1のとおり、オイルヒーターの電力が「強」の場合、エアコンの約2倍電気代がかかりますが、「中」ではエアコンとほぼ同じ、「弱」ではエアコンよりも安くなります。
ただし、上記比較ではオイルヒーターは常に電源が入っているものとしています。実際は部屋の温度が一定になるとスイッチが切れ、温度が下がると再びスイッチが入る仕組みのため、部屋の広さなどによっては図表1の料金より安くなるケースもあるでしょう。
オイルヒーターのメリット
ほかの暖房器具と比べた際の、オイルヒーターのメリットをいくつか紹介します。
安全性が高い
オイルヒーターの表面温度は約60~80度で、石油ストーブやセラミックヒーターなどのように高温にならず、誤って触れてもやけどしにくい点がメリットです。
また、石油ストーブなどでは、灯油を扱うため火災の危険性がありますし、換気不足の場合は一酸化炭素中毒が起きる可能性もあります。オイルヒーターは灯油を使わず電気だけで動くため、火災や一酸化炭素中毒の危険性を抑えられます。
空気を汚さない
エアコンや石油ファンヒーターなどは、温風を吹き出して部屋全体を暖めるため、部屋のハウスダストなどを巻き上げてしまいがちです。オイルヒーターは、自然対流を利用した仕組みで送風はしないため、室内の空気を汚さずきれいな状態に保ちやすいでしょう。
メンテナンスが簡単
石油ファンヒーターなどは、灯油がなくなれば都度給油する必要があります。エアコンも定期的なエアコンクリーニングが必要です。オイルヒーターは中のオイルを交換する必要がなく、拭き掃除程度でメンテナンスが済む点がメリットです。
オイルヒーターのデメリット
オイルヒーターの主なデメリットを2点挙げてみます。
電気代が高い
先ほども紹介したように、エアコンと比べるとオイルヒーターのランニングコストは高くなりがちです。最新機種ではエコ運転モードなどが搭載されていることもあるため、それらの機能を利用して電気代を抑えるとよいでしょう。
すぐには暖まらない
オイルヒーターは、まずオイルを暖めて、そこから空気を暖める仕組みのため、室内が暖かくなるまで時間がかかります。すぐに部屋を暖められるエアコンや石油ファンヒーターなどを併用したり、タイマーを活用したりするなどの工夫が必要です。
まとめ
オイルヒーターとエアコンを比べると、たしかにオイルヒーターのほうが電気代は高くなりがちです。しかし、オイルヒーターは空気を汚さず安全性が高いなどのメリットもあり、子どもがいる家庭には向いているといえます。実際に使用するシーンなどを検討してメリットが勝る場合は、オイルヒーターを選ぶ選択肢もありでしょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問Q&A
経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ電子版
デロンギ・ジャパン株式会社 ユニカルド オイルヒーター ブラック
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士