タンス預金はなぜ問題視されるのか?新紙幣発行と関係している?
そこで本記事では、新紙幣発行とタンス預金の関係について解説し、タンス預金を行う場合の注意点についても見ていきます。
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タンス預金はなぜ問題視されるのか?
タンス預金には次のような点から、問題視されることがあります。
●相続時のトラブル
●脱税の可能性
●盗難、火災などによる紛失
タンス預金は銀行口座のような入出金の履歴が明確でないため、相続発生時に相続人の間でトラブルになることがあります。相続財産として適切にタンス預金も申告すれば問題ありませんが、税金を少なくするためにタンス預金を隠しておくことは脱税行為にあたるため絶対にしてはいけません。
また、銀行に預けていれば万一自宅が火災や盗難にあった場合も現金の紛失を防げます。
新紙幣発行の目的
2024年7月3日から発行が開始された、新紙幣に描かれている渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎の3人は、日本の近代化に貢献したといわれている人々です。では、なぜ新紙幣が発行されたのでしょうか? ここでは、新紙幣発行の目的を見ていきましょう。
偽造対策の強化
新紙幣は、高精細すき入れ(すかし)や3Dホログラムなどの最新技術を採用することで偽造対策の強化を目的としています。
これまでのお札のすかしは人物のみでしたが、新紙幣では人物の背景にある小さなひし形の模様にもすかしが採用されています。すかしとは、お札を光にかざすと人物などが浮かびあがる技術です。このひし形の模様は「高精細すき入れ」と呼び、偽造対策の強化にひと役かっています。
また、ホログラムは今までの1万円札と5000円札にも採用されていましたが、新紙幣では全てのお札に3Dホログラムが採用されました。3Dホログラムは、お札に印刷された立体的な人物が左右に回転するデザインで、全てのお札に導入されたのは世界初となっています。
これらの技術により、新紙幣は世界最高水準の偽造防止性能を備えています。
タンス預金との関係はある?
新紙幣発行は「タンス預金をあぶり出す」目的があるのではないかと推測する人もいるようです。
新紙幣が浸透するにつれて旧紙幣は、店舗での支払いに使いづらくなる可能性があります。そのため、タンス預金(旧紙幣)を新紙幣への交換を希望する人が増えることが予想されます。
ただし、新紙幣が発行されても旧紙幣は引き続き使用することができ、使用期限も定められていません。
政府が発表している新紙幣発行の目的は、あくまで「偽造対策」と「誰にでも分かりやすいデザインを取り入れることによる使いやすさの向上」です。「新紙幣発行がタンス預金のあぶり出しにつながる」という考えは、現時点では根拠のない臆測の域といえるでしょう。
タンス預金をする場合の注意点
自宅で現金を保管する場合は、最小限の金額にとどめておくようにしましょう。
タンス預金はいつでも自由にお金を使えることがメリットである一方、現金を保管しているがゆえに災害や盗難などに遭った場合、保管している金額が大きいほど被害額も大きくなります。また、相続時のトラブルや税務調査の対象となる可能性もあるため、自宅で現金を保管する場合は最小限にするとよいでしょう。
タンス預金はリスクを理解して適切に行おう
タンス預金は、相続時のトラブルや税務上の問題につながるおそれがあるため、注意が必要です。タンス預金は銀行口座のような入出金の履歴が明確でないため、相続人間で金額に関するトラブルになることがあります。
また、相続発生時にタンス預金を相続財産として申告しないと、追徴課税などの対象となる場合があります。さらに、災害・盗難・紛失などのリスクもあるため、タンス預金を行う場合は最小限の金額にとどめておくと安心です。
出典
内閣府大臣官房政府広報室政府広報オンライン 2024年7月3日、新しいお札が発行! 2 お札を新しくする目的は?
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
