年収「1000万円」でもお金は貯まらない? 高所得層の貯蓄事情を調査!

配信日: 2025.03.02
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年収「1000万円」でもお金は貯まらない? 高所得層の貯蓄事情を調査!
「年収が平均よりも高いはずなのにお金がなかなか貯まらない」といった悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
 
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」にて給与所得者の平均給与は460万円とのことですが、年収1000万円を超えていれば高所得層に該当して貯金もたくさんできると思うかもしれません。しかし、年収が高ければ貯蓄額も高いとは一概に言い切れないでしょう。
 
そこで本記事では、1世帯当たりの貯蓄現在高をはじめ、年収1000万円超え世帯の現在貯蓄高と内訳などを解説します。
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1世帯当たりの貯蓄現在高はどのくらい?

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、2人以上の世帯、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄現在高と内訳は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

2人以上の世帯 2人以上の世帯のうち勤労者世帯
貯蓄現在高 1904万円 1474万円
金融機関 1873万円 1430万円
金融機関以外 31万円 44万円

※総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」より筆者作成
 
金融機関は通貨性預貯金、定期性預貯金、生命保険など、有価証券(債券、貸付信託・金銭信託、株式、投資信託)を合算した金額です。
 
また、貯蓄保有世帯の中央値は、2人以上の世帯が1107万円、2人以上の世帯のうち勤労者世帯が895万円でした。

 

年収1000万円超え世帯の現在貯蓄高と内訳

同調査によると平均年収は、2人以上の世帯が642万円、2人以上の世帯のうち勤労者世帯が769万円とのことです。そのうち、年収別の現在貯蓄高とその内訳は、2人以上の世帯が図表2、2人以上の世帯のうち勤労者世帯が図表3のとおりで、それぞれが現在貯蓄高の高さと年収の高さが比例する結果になっています。
 
【図表2】2人以上の世帯

平均 第I階級 第II階級 第III階級 第IV階級 第V階級
~334万円 334~477万円 477~651万円 651~889万円 889万円~
年間収入 642万円 260万円 401万円 561万円 759万円 1231万円
貯蓄現在高 1904万円 1445万円 1928万円 1667万円 1829万円 2652万円
金融機関 1873万円 1443万円 1915万円 1648万円 1791万円 2568万円
金融機関外 31万円 2万円 14万円 19万円 38万円 84万円

※総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」より筆者作成
 
【図表3】2人以上の世帯のうち勤労者世帯

平均 第I階級 第II階級 第III階級 第IV階級 第V階級
~491万円 491~637万円 637~785万円 785~1001万円 1001万円~
年間収入 769万円 379万円 566万円 706万円 882万円 1309万円
貯蓄現在高 1474万円 876万円 1028万円 1283万円 1666万円 2517万円
金融機関 1430万円 869万円 1010万円 1255万円 1610万円 2407万円
金融機関外 44万円 7万円 18万円 28万円 56万円 110万円

※総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」より筆者作成

 

住宅・土地のための負債も抱えている

現在貯蓄高が高くても、住宅・土地のための負債を抱えている世帯も多いです。負債現在高を見てみると現在貯蓄高と同様に、年間収入が高い世帯ほど負債を抱えています。年間収入に対する負債額は、2人以上の世帯が図表4、2人以上の世帯のうち勤労者世帯が図表5のとおりです。
 
【図表4】

平均 第I階級 第II階級 第III階級 第IV階級 第V階級
~334万円 334~477万円 477~651万円 651~889万円 889万円~
年間収入 642万円 260万円 401万円 561万円 759万円 1231万円
負債現在高 655万円 72万円 275万円 666万円 1019万円 1243万円

※総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」より筆者作成
 
【図表5】

平均 第I階級 第II階級 第III階級 第IV階級 第V階級
~491万円 491~637万円 637~785万円 785~1001万円 1001万円~
年間収入 769万円 379万円 566万円 706万円 882万円 1309万円
負債現在高 1309万円 493万円 887万円 1101万円 1184万円 1380万円

※総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」より筆者作成

 

年収が高ければ貯蓄現在高も高い傾向

年収1000万円でもお金が貯まるかどうかは、一概には言い切れません。ただし、年収が高い世帯ほど現在貯蓄高が高いことは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要」より分かっています。
 
とはいえ、世帯年収や現在貯蓄高が高くても、住宅や土地などの負債を抱えていることが多いです。世帯年収が高い世帯でも、確実にお金が貯まるかどうかは負債がどのくらいあるのかによっても異なるでしょう。

 

出典

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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