入浴前に「お風呂が寒いから」と、シャワーを5分ほど出しっぱなしにする娘。ガス・水道代が気になりますが「ヒートショック」なども考えると止めないほうがいいのでしょうか?
配信日: 2025.03.01 更新日: 2025.03.03

本記事では、シャワーを5分間出しっぱなしにするといくらかかるのか解説します。また、ヒートショックの危険性やシャワー以外で浴室を暖める方法も紹介します。

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
シャワーを5分間出しっぱなしにするといくらかかる?
浴室を暖めるためにシャワーを5分間出しっぱなしにすると、どのくらいの料金がかかるのでしょうか。東京都の場合で考えてみます。
まず水道代です。シャワーを1分間使うと約12リットルの水を消費するといわれています。したがって、5分間で水60リットルが必要です。3人家族の場合1リットルの単価は0.24円として考えられるため、1回分の水道代は60×0.24=14.4円、約14円になります。
次にガス代です。ガス代は「ガスで暖める温度×水の量÷(ガスの熱量×熱効率)×ガス単価」で計算されます。ガスで暖める温度などは以下の条件にしました。
●ガスで暖める温度:32度(8度から40度)
●水の量:60リットル
●ガスの熱量:1万750キロカロリー
●熱効率:92%
●ガス単価:130円
この式で計算すると1回分のガス代は約25円で、水道代の約14円と合計すると約39円です。毎日使ったとすると1ヶ月で1170円になります。11月から3月までの5ヶ月間使うと5850円です。
ヒートショックとは?
浴室が寒いと、ヒートショックが起きる可能性があります。ヒートショックとは、大きな温度差によって血圧が上下し、心筋梗塞や脳卒中などの病気を引き起こすとされる現象です。浴槽内で失神して溺死する事案も多く発生しています。
ヒートショックは、高齢者や、高血圧や糖尿病などの持病がある人が影響を受けやすいといわれています。ヒートショックを防ぐには、温度差をできるだけ小さくすることが必要です。寒い浴室を暖めたり、風呂の温度を下げたりするとヒートショックを起こしにくくなります。
できるだけ節約しながらヒートショックを予防する方法
節約もしながらヒートショックも予防する方法をいくつか紹介します。まず、簡単な方法が、床にマットやすのこを敷くことです。特に浴室がタイル張りで冷たいケースでは大きな効果があります。
また、風呂の温度を低めに設定すると、心臓への負担を抑えられます。温度は40度以下がおすすめです。風呂から出る際はゆっくり立ち上がるようにしたり、食事直後や飲酒後の入浴を避けたりすることも効果があります。
ほかにも、家族が続けて風呂に入れる状況であれば、風呂のふたを開けっぱなしにしておくと、浴室が寒くならずにすみます。
シャワーで浴室を暖めたいのであれば、お湯はりをする最後の5分だけシャワーで給湯すれば、浴室も暖まりお湯も無駄になりにくいでしょう。
まとめ
浴室が寒いとヒートショックを起こす可能性が高くなります。ヒートショックを起こしやすいのは、高齢者だったり高血圧などの持病があったりする人です。
年齢が若い場合はヒートショックを起こす可能性が高くないと考えられますが、注意は必要です。ガス代などが気になるのであれば、マットやすのこを敷いてみたり、お湯はりの最後にシャワーで暖めてみたりするなど手軽な対策で対応してはいかがでしょうか。
出典
東京都水道局 節水について
東京ガス株式会社 データについて
東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士