SNSで「電気代が高すぎるなら、大人しく払ってはいけない」という投稿を発見! 電気代が「異常」か判断するポイントとは? 電力会社に問い合わせるべき?

配信日: 2025.03.05
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SNSで「電気代が高すぎるなら、大人しく払ってはいけない」という投稿を発見! 電気代が「異常」か判断するポイントとは? 電力会社に問い合わせるべき?
冬は電気代が高くなりがちですよね。暖房器具を使っていると一気に電気代が上がり「こんなに使ったっけ?」と驚く人もいるかもしれません。先日、SNSでは「高すぎると感じたら大人しく支払ってはいけない。みんなで電話をかけて調べてもらおう」という意見もみられました。
 
では、何円以上だと「異常なほど高い電気代」とされるのでしょうか。電力会社に電話することで何が変わるのかもあわせて解説します。
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電気代が急に高くなる要因

電気代が前月や前年に比べて「急に」高くなるのは、どのような要因があるのでしょうか。


・政府の補助額が縮小された
・秋から冬への電気量変化が激しい

2024年10月までは「酷暑乗り切り緊急支援」、2025年1月からは「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として、政府から電気代の補助金が出ています。ただし、補助の額は減っているので、家庭で負担する金額は増えています。このため、「急に」増えたと感じるかもしれません。
 
総務省統計局の家計調査(家計収支編)によると、冬は1年で1番、電気使用量が多くなる季節です。電気使用量が多くなるのは、特に電力消費の激しいエアコンやヒーターなどの暖房器具を使う季節だからです。
 
寒冷地でオール電化の旧式住宅で蓄熱暖房機による暖房や電気温水器による給湯を使用する場合、1ヶ月の電気代が10万円を超えることがあります。
 
また、支払方法がクレジットカードなら、使用月から支払日までに間があるため、「急に」請求額が増えたと感じることもあるかもしれません。電力会社の検針日とクレジットカード会社の締め日などの都合で、2ヶ月分がまとめて請求されることも起こり得ます。
 

電気代のしくみ

そもそも、電気代はどのように決まるのでしょうか。


・基本料金
・従量料金(単価×電気使用量)
・燃料費調整額(単価×電気使用量)
・再生可能エネルギー発電促進賦課金(単価×電気使用量)

以上の合計が電気料金となります。従量料金は、使った分だけかかる料金です。
 
燃料費調整額は、燃料費調整制度によって定められています。これは電気事業者の努力がおよばない燃料輸入価格や為替レートの変動額を、利用者が負担する仕組みです。燃料輸入価格や為替レートに比例し、これらが高くなれば利用者の支払額も高くなります。
 
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は電気の買取制度に用いるお金です。電力会社が、再生可能エネルギーの開発事業者や企業・家庭の太陽光設備から電気を買い取るのですが、買い取りのための費用は電気使用者が負担しています。
 
電気使用量によって従量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金の3つの金額が変わります。
 

何円以上だと「異常」なのか

電気使用量は家庭によって異なるため、「電気代が○万円を超えたら異常」というような基準はありません。請求金額が高くて驚いた場合は、まずは以下の2点を確認してみましょう。


・金額は前月、前年と比べてどうか
・電気使用量は前月、前年と比べてどうか

電気代の仕組みを分かっていれば、使用量から計算して請求金額が妥当かどうか判断できます。本当に「異常」なのは、以下のような場合です。


・漏電とブレーカー故障
・電気使用量データの誤り

漏電したとしても漏電ブレーカーが正常に働けば電気代が高くなることはないのですが、ブレーカー自体が故障している場合は話が別です。
 
旧式のアナログメーターだった頃は「検針員が間違ってとなりの家を検針する」ということがありました。現在はスマートメーターが普及して電気使用量の確認が遠隔でできるようになったので、検針員の間違いは減りましたが、電気使用量のデータを誤って取り扱う可能性はあります。
 
実際に2016年に東京電力パワーグリッド株式会社が小売り電気事業者にデータを誤送信した事例がありました。
 

電話の前に電気使用状況を見直そう

電気代は、原油・天然ガス・石炭の輸入価格に大きく左右されます。これらの価格変動が電気代に影響するのであって、電気事業者に苦情を言えば値引きしてもらえるというものではありません。
 
電話をかける前に、まずは電気をどのくらい使っているかを確認して、妥当かどうかを判断するのがよいでしょう。それでも異常に高いと感じたなら、原因を電話で尋ねるのは問題ありません。
 
燃料費の高騰は今後も続く見込みですし、再エネ賦課金も値上げが続いています。電気代は上がるものと想定した上で、家庭での消費量を減らす工夫をするのが賢い行動といえるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料費調整制度について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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