近所のスーパーは「卵SSサイズ200円」で、別のスーパーだと「卵Lサイズ270円」です。容量を考えたら「Lサイズ」の方がコスパがいいのでしょうか?
そこで当記事では、「卵のサイズ」がどのように決まっているのかや、「卵」の価格相場などについて解説します。
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物価の優等生「卵」の「価格高騰」が続いている
JA全農たまご株式会社によると、「卵」の価格相場(Mサイズ基準値 東京)は上昇傾向にあり、2025年2月時点で315円となっています。
「物価の優等生」ともいわれる「卵」は、数年前までは100円台であったこともありますが、2025年3月現在では300円を超える水準で推移しているようです。このことから、私たちにとって身近な「卵」は、かなり価格が高騰してきていることが分かります。
「価格高騰」の理由とは?
「卵」は60年前からあまり価格が変わっていなかったことから、「物価の優等生」と呼ばれていました。では、なぜ卵の価格は現在高騰しているのでしょうか。
価格高騰の背景には、ニワトリを育てるために必要な飼料価格の高騰があります。日本はニワトリの飼料の多くを海外からの輸入に頼っていますが、現在は地政学的な緊張や円安の影響などで、輸入飼料の価格が上がっているようです。
また、養鶏場で「卵」の選別やパック詰め作業に使う機械を動かすための電気代や燃料代も値上がりしています。生産者によるコスト削減の努力は行われていますが、「卵」の生産コストは年々上昇しているのが実情です。
このように、価格高騰の背景には、飼料価格の高騰や生産コストの上昇などがあります。
卵は「大きいサイズ」の方がお得?
卵の規格(サイズ)は重さ(卵重)によって分かれているようです。JA全農たまご株式会社の「鶏卵の簡易規格表」を一部引用すると、表1のようになります。
表1
| 種類 | 卵重 | 平均卵重 |
|---|---|---|
| LL | 70グラム以上~76グラム未満 | 73g |
| L | 64グラム以上~70グラム未満 | 67g |
| M | 58グラム以上~64グラム未満 | 61g |
| MS | 52グラム以上~58グラム未満 | 55g |
| S | 46グラム以上~52グラム未満 | 49g |
| SS | 40グラム以上~46グラム未満 | 43g |
出典:JA全農たまご株式会社「規格表」を基に筆者作成
一方、同じくJA全農たまご株式会社によると、2025年3月4日現在の「最新のたまご相場(東京)」は、表2のとおりです。
表2
| 種類 | 高値 | 基準値 | 安値 |
|---|---|---|---|
| LL | 329円 | 305円 | 298円 |
| L | 335円 | 310円 | 304円 |
| M | 345円 | 320円 | 314円 |
| MS | 360円 | 335円 | 329円 |
| S | 339円 | 315円 | 308円 |
| SS | 269円 | 245円 | 238円 |
出典:JA全農たまご株式会社「相場情報 最新のたまご相場」を基に筆者作成(2025年3月4日現在の「1キログラム」あたりの価格)
小売価格は卸売価格に連動する傾向にあるため、ここでは表2の基準値を小売価格と仮定し、卵1グラムあたりの価格を計算してみました。
表3
| 種類 | 卵1グラムあたりの価格 |
|---|---|
| LL | 0.305円 |
| L | 0.31円 |
| M | 0.32円 |
| MS | 0.335円 |
| S | 0.315円 |
| SS | 0.245円 |
※筆者作成
表3の結果から、卵1グラムあたりの価格はLサイズよりもSSサイズの方が安いですが、Sサイズと比べるとLサイズの方が若干安く、MSサイズ~LLサイズにおいてはサイズが大きいほど価格が安くなる可能性があるようです。
まとめ
円安の影響や地政学的な緊張の高まりを受けて、生産コストが上昇している「卵」ですが、今回試算した結果では、LサイズよりもSSサイズの方が1グラムあたりの価格は安く、MSサイズ~LLサイズにおいては大きいサイズの方が安い傾向にあるようです。
どこまで「卵」の値上がりが続くかは不透明ですが、当記事を参考になるべくお得にお買い物をしてください。
出典
JA全農たまご株式会社 相場情報 月ごとで見る 東京
JA全農たまご株式会社 JA全農たまご資料室 資料No.003 規格表 1.鶏卵の簡易規格表
JA全農たまご株式会社 相場情報 最新のたまご相場 2025年3月4日(火)09:00発表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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