振替休日の定義って? 平日に振り替える休日は違法なの?
配信日: 2025.03.09


執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
振替休日とは
振替休日とは、もともと休日とされていた日をあらかじめ労働日とし、その代わりに別の日を休日とする制度です。
労働基準法では「週に1回または4週に4回」の法定休日を労働者に与えるよう使用者に義務付けています。振替が適切に行われていれば、もともとの休日に働いても「休日労働」には該当せず、企業側に休日労働の割増賃金を支払う義務は生じません。
振替休日を設定する際は事前に決めておく必要があり、できるだけ元の休日に近い日を振り替え先とするのが望ましいとされています。
振替休日なら休日労働手当は不要
振替休日を適用する際は、法定休日に勤務しても休日労働手当の対象とならない点を理解しておく必要があります。労働基準法では、法定休日に労働させる場合、割増賃金の支払いが義務付けられています。
しかし、振替休日を適用すれば、その休日は通常の労働日として扱われるため、休日労働の割増賃金は発生しません。適切に運用することで、余計な人件費の増加を防ぐことができます。
振替休日の通知は前日までに行う
振替休日を正しく運用するには、休日出勤をさせる前日までに、振替日を明確に決めておく必要があります。そのため、従業員には休日出勤を指示する前日の勤務終了時までに、振替休日の予定を伝えなければなりません。
事前に通知せずに休日出勤を命じた後で休みを与えても、振替休日とは認められず、別途休日手当の支払いが必要になる可能性があるため注意が必要です。
振替休日の日程は事前に確定させる
振替休日の運用で最も重要なのは、休日と労働日を事前に確定させることです。どの休日を労働日に変更し、代わりにどの日を休日にするかを具体的に決めてから、休日出勤をさせる必要があります。
振替休日の実施を決めるだけで、具体的な日程を決めていない場合には、振替休日とは認められません。仮に振替休日として扱われず、代休扱いになってしまうと、休日労働手当の支払い義務が発生し、企業側の負担が増える可能性があります。
振替休日の設定で注意すべき法定労働時間の上限
振替休日を設定した結果、1週間の法定労働時間(原則40時間)を超えた場合、その超過分に対して企業は25%以上の割増賃金を支払う必要があります。
振替休日をいつ取得するか、またその期限については、労働基準法で具体的な定めはありません。そのため、企業ごとにルールを設けることができ、取得時期などの運用は会社の判断に委ねられています。
しかし、週をまたいで振り替えると、結果的に1週間の労働時間が法定基準を超えることがあり、その場合には超過分の割増賃金が発生する点に注意が必要です。
振替休日と代休の違いと正しい運用
振替休日と代休は、どちらも休日に働いた分、別の日に休むという点では共通しています。しかし、運用の仕方や賃金の扱いに違いがあります。振替休日は、厚生労働省のモデル就業規則では休日の振替として定められています。
これは、あらかじめ決められた休日を労働日へ変更し、その代わりに別の労働日を休日にする制度です。たとえば、「今週の日曜日を出勤日にする代わりに、翌日の月曜日を休みにする」といった形で運用されます。
一方、代休は休日に出勤した後で代わりに休みを与えるものです。「今週土曜日に出勤してほしい。代わりに後で好きな日に休んでいい」といった運用がこれに該当します。この場合、出勤した日は休日のままであり、代わりに取得する休みも労働日扱いとなります。
特に日曜日(法定休日)に働いた場合、振替休日として出勤すれば、その日は休日労働とみなされず、割増賃金の支払いは不要です。しかし、振替を行わずに休日出勤した場合、その労働は休日労働となり、割増賃金を支払う義務が生じます。
振替休日とは、もともと休日だった日を事前に労働日とし、その代わりに別の日を休日とする制度
振替休日とは、もともと休日だった日を事前に労働日とし、その代わりに別の日を休日とする制度です。これは、労働基準法で定められた「週に1回または4週に4回の法定休日」を確保するために設けられています。
適切に運用すれば、休日に出勤しても「休日労働」には該当しません。休日を平日に振り替えること自体は違法ではありませんが、振替休日が適用されるかどうかで扱いが異なります。
出典
労働局
山梨労働局 代休?振替休日?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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