自分の給料や親せきからもらったお金でためたタンス預金が「1000万円」に!銀行へ入金したいのですが、税金はかかるのでしょうか?
配信日: 2025.03.10 更新日: 2025.03.11

また、場合によっては銀行で預けるときに目的を聞かれる可能性もあります。今回は、タンス預金で課税される場合や、銀行へ預けるときの注意点などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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給料や親せきからもらったお金をタンス預金すると税金がかかる?
「タンス預金をしていた」という事実だけで、銀行へ預金する際に税金はかかりません。課税されるのは、そのお金が、申告が必要にもかかわらず無申告だったときになります。
自分の給料から貯めた分は、基本的に会社ですでに源泉徴収されているため、申告は不要です。一方、贈与されたお金は1年間で基礎控除額となる110万円を超えて受け取っていた場合に、申告が必要となります。
例えば、タンス預金に自分の給料から少しずつ貯めた400万円がある状態で、親せきから600万円を一括で受け取ったとしましょう。この場合、合計額は1000万円ですが、親せきから受け取った600万円のみに贈与税が課されます。
もし600万円の贈与に対して税金がかかるといくらになる?
今回は、以下の条件で贈与税がいくらかかるかを計算します。
●叔父から600万円を受け取った
●同じ年にほかの贈与は受け取っていない
●本人は成人している
まず、600万円から基礎控除額を引いた490万円が課税される金額になります。贈与税は受け取る人の年齢と誰からもらったかによって適用される税率が異なり、国税庁によると、今回の条件では一般税率が適用され、税率は30%、控除額は65万円です。「490万円×30%-65万円」なので、贈与税は82万円が課されます。
なお、もし叔父ではなく祖父母や両親などの直系尊属から受け取ると、特例税率が適用されて税率が変わるため、贈与税額も変動します。
タンス預金をするときの注意点
タンス預金は、すぐにお金を用意できたり手元でお金を管理できたりするメリットがある一方で、防犯面では銀行よりもリスクがあります。もし空き巣や強盗に入られると、お金を丸ごと盗難される可能性もあるでしょう。また、地震や火事などの災害で焼失・紛失するリスクもあります。
タンス預金の場所そのものを忘れる可能性もゼロではありません。場所を忘れるとすぐに使えるというメリットがなくなるどころか実質的に使える財産が減少するでしょう。自分で覚えておける場所に保管することが大切です。
さらに、もし自分がタンス預金を残したまま亡くなったとすると、子どもや親族の間で相続トラブルが発生する場合も考えられます。事前に子どもや親族にはタンス預金があることを伝えておき、遺言書などで相続財産をどうするのか決めておくといった対策も必要でしょう。
銀行へタンス預金を預けるときの注意点
銀行へタンス預金をまとめて預けると、金額によっては目的を聞かれるケースがあります。多額の現金入金は「疑わしい取引」の可能性があると判断される場合があるためです。
もし目的を聞かれた場合は、証明書類などを示して確定申告が終わっており銀行へ入金をしたいだけだとはっきり告げましょう。なお、一度にすべて入金せず、複数回に分ける方法も選択肢のひとつです。
銀行への入金に税金はかからない
銀行へタンス預金を預けることによって税金は課されません。ただし、もし無申告のお金が含まれていれば、その金額分には課税される場合があります。
そのため、会社からの給料をタンス預金にしている場合は銀行へ預けても基本的に問題はないでしょう。しかし、贈与されたお金などで申告していなければ、しかるべき時期に確定申告を終わらせましょう。
タンス預金を銀行へ預けると、盗難や紛失のリスクからお金を守りやすくなります。ただし、多額の入金は「疑わしい取引」と判断されるケースがあるため、確定申告が終わっているなどの証拠を示して問題のないお金だと分かるようにしておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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