4人家族で生活費「35万円」はかかりすぎ?夫婦合わせた月収は「40万円」ですが、一般的な生活費の平均はいくら?
配信日: 2025.03.21

そこで今回は、一般的な生活費の平均と節約方法についてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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4人家族の平均的な生活費はどれくらい?
総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年」によると、世帯人数4人の世帯における1ヶ月の平均消費支出は表1の通りです。
表1
消費支出項目 | 月平均額 |
---|---|
食費 | 9万6328円 |
住居 | 1万5120円 |
光熱・水道 | 2万4593円 |
家具・家事用品 | 1万3029円 |
被服および履物 | 1万3093円 |
保健医療 | 1万4022円 |
交通・通信 | 5万1087円 |
教育 | 3万30円 |
教養娯楽 | 3万3980円 |
その他の消費支出 | 5万116円 |
合計 | 34万1400円 |
出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年」を基に筆者作成
月の平均生活費が約34万円のため、今回の事例における「35万円」は平均と比較するとわずかに高い傾向があります。ただし、子どもの年齢や習い事によっては食費や教育関係の費用は変動するでしょう。そのため、一概に35万円が一般的な生活費より高いとはいえません。
生活費と別に準備しておくべき費用
現在の生活費も大切ですが、ほかにも今後必要になる費用が多々あります。
・教育費
・老後費用
・住宅資金
これらは今すぐに必要なお金ではなくとも、まとまった費用を準備する必要があるため、計画的な貯金が大切です。それぞれにかかる費用についてご紹介します。
教育費
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、小学校から高校までの1年間・子ども1人当たりの学習費総額(学校教育費+学校給食費+学校外活動費)の平均は表2の通りです。なお、学校教育費には、入学金なども含まれます。
表2
公立 | 私立 | |
---|---|---|
小学校 | 33万6265円 | 182万8112円 |
中学校 | 54万2475円 | 156万359円 |
高校(全日制) | 59万7752円 | 103万283円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
また、文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年度における大学の1年間の学費(入学年度・授業料+入学料)の平均は表3の通りです。
表3
公立 | 私立 | 国立 | |
---|---|---|---|
大学 | 91万562円 | 120万11円 | 81万7800円 |
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
表2と表3を参考にすると、小学校から大学まで私立に通う場合、1人当たりの費用は約2282万円です。また、小学校から大学まで公立に通った場合でも800万円ほどかかります。そのため子どもが2人いる場合、1600万~4500万円ほど教育費を準備しておく必要があるでしょう。
ただし、今回参照した調査における大学の費用は入学料と授業料のみのため、そのほか細かい費用まで含めるとさらに多くの費用を準備しておかなければなりません。
老後費用
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の平均生活費は25万959円です。また、可処分所得は21万3042円です。
可処分所得が自由に使える手取り収入となるため、生活費は毎月4万円程度足りない計算になります。そのため、仮に65歳から90歳まで生きたとすると、約1137万5000円を準備しておかなければならない可能性があります。
住宅資金
仮に現在は賃貸物件に住んでいて、今後住宅購入を検討している場合は、住宅資金を準備しておく必要があります。独立行政法人住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」によると、住宅の平均所要資金は表4の通りです。
表4
住宅の種類 | 平均所要資金 |
---|---|
マンション | 5245万円 |
土地付注文住宅 | 4903万円 |
注文住宅 | 3863万円 |
建売住宅 | 3603万円 |
中古マンション | 3037万円 |
中古戸建 | 2536万円 |
出典:独立行政法人住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」を基に筆者作成
所要資金は家の大きさや地域によっても左右されるため、場合によっては平均よりも多い金額を準備しておく必要があるでしょう。
生活費をおさえるポイント
生活費をおさえたい場合は、現状の収入と支出を把握し、大きな支出がどこにあるか見直しましょう。また、固定費と変動費を別々に見直すことで、支出をおさえやすくなります。
例えば、固定費は、水道光熱費やサブスクリプション代、保険料などを見直せば節約につながる可能性があります。また、変動費は食費や日用品にかかる費用を定期的に確認すると、無駄な出費がおさえやすくなるでしょう。
ほかにも、自炊を定期的に行うようにしたりコンビニに行く回数を減らしたりすると、食費が減らせる可能性もあります。無理な節約をするのではなく、続けられる範囲でコツコツ行うと、徐々に節約効果が表れるでしょう。
4人家族の平均生活費は1ヶ月約34万円。現状の支出を把握し、大きい出費は見直そう
4人家族の平均生活費は1ヶ月約34万円です。子どもの年齢などによっても変動するため、生活費35万円が一概にかかりすぎとはいえないでしょう。
ただし、現在の生活費以外にも、子どもの教育費や老後の資金、住宅購入の費用は少しずつ準備しておく必要があります。子どもの教育費と老後の資金だけでも2700万円以上かかる可能性があるため、お金を貯めたい場合は、節約も視野に入れるとよいでしょう。
まずは現状の支出を見直し、出費の大きい固定費や変動費をおさえることで少しずつ支出を減らせます。自身の行いやすい節約方法で出費を減らし、未来の資金に回しましょう。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat) 総務省統計局 家計調査/家計収支編 総世帯 詳細結果表 2024年<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号4 世帯人員・世帯主の年齢階級別
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します(1ページ)
文部科学省 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
独立行政法人住宅金融支援機構 2023年度 フラット35利用者調査 I 調査結果の概要 5 所要資金(融資区分別)の推移(2013~2023年度)(10ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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