大学生で「月8万円」を扶養内で稼ぐ息子。「今年から月11万円まで大丈夫になる」とのことだけど、本当に大丈夫? 仕組みと注意点を解説

配信日: 2025.03.23 更新日: 2025.03.24

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大学生で「月8万円」を扶養内で稼ぐ息子。「今年から月11万円まで大丈夫になる」とのことだけど、本当に大丈夫? 仕組みと注意点を解説
学費や生活費を補うために、大学生の子どもがアルバイトをしているという家庭も多いでしょう。
 
現在、扶養控除の適用範囲内で月8万円のアルバイトをしている大学生の息子が、「今年から月11万円に増やしても大丈夫」と話していても、「本当に問題はない?」「扶養から外れて自分の税金が増えることはないか?」と不安になるかもしれません。
 
本記事では、特定扶養控除の仕組みと注意点について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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特定扶養控除の概要

特定扶養控除とは、所得税における扶養控除の1つで、19歳以上23歳未満という特定の年齢の扶養親族に適用される控除です。特定扶養控除は通常の扶養控除よりも控除額の面で優遇されています。具体的には、一般の控除対象扶養親族の控除額は38万円ですが、特定扶養親族は63万円です。
 
特に学費や生活費の負担が大きい家庭には助けになる制度と言えるでしょう。
 

特定扶養控除の年収の上限が緩和

特定扶養控除を受けるためには、19歳以上23歳未満の扶養親族自身が稼ぐお金が上限以内である必要があります。従来その条件は103万円でしたが、令和7年分の所得税および令和8年度分の住民税から150万円まで引き上げられることが決まりました。
 

月11万円のアルバイトは本当に大丈夫?

それでは、年齢条件に当てはまる大学生の子が月11万円のアルバイトをした場合、特定扶養控除の適用を受けられるのかを見ていきましょう。
 
毎月11万円稼いだ場合、年間では132万円(11万円×12ヶ月)の収入となります。年間132万円稼ぐと、従来の制度のもとでは基準である103万円を超えるため、特定扶養控除は受けられませんでした。しかし、変更後の制度の基準は150万円ですので、毎月11万円稼いだとしても、特定扶養控除の対象から外れることはありません。
 

学業への影響を考えることも大切

制度改正後は、アルバイトで毎月11万円を稼ぐことで子の収入は増え、親の扶養控除にも影響はありません。とはいえ、学業や生活に与える影響も考慮する必要があります。
 
厚生労働省によると、全国の最低賃金の平均は時給1055円です。時給1055円で、毎月8万円稼ぐ場合の労働時間は76時間ですが、11万円稼ぐとなると104時間まで増加します。約30時間増えることになり、このことが子どもに与える影響についても注意が必要です。
 
まず考えたいのが学業との両立です。アルバイト時間が増えると、学業に集中しづらくなる可能性があります。授業や課題、試験期間などに影響がないかを慎重に検討することが重要です。
 
また、夜間や長時間の勤務が増えると、睡眠不足や体調不良の原因になりかねません。特に学業と並行している大学生にとって、健康管理は非常に大切です。
 
さらに、奨学金制度によっては学生自身の所得に制限が設けられている場合があります。日本学生支援機構によると、学生の年収が100万円を超えている場合、給付奨学金の支援額が減る可能性があるとしています。
 
なお、確定申告や住民税申告の際に勤労学生控除を申請し適用されれば、奨学金の支援額が減らなくなることがあります。奨学金をもらっている場合、収入増との関係をよく確認しておきましょう。
 

まとめ

特定扶養控除の制度変更後であれば、大学生の子が月11万円アルバイトで稼いだとしても、年間収入が150万円以下であれば、親は扶養控除を受けられます。
 
ただ、アルバイトを増やすことによる本人の負担増、学業への影響なども考慮し、アルバイトを増やすかどうかは親子で慎重に検討しましょう。
 

出典

国税庁 No.1180 扶養控除
自由民主党 公明党 令和7年度税制改正大綱
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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