30代の息子が転職を機にわが家へ戻ることに。生活費はいくらくらい入れてもらうのがよいでしょうか?
配信日: 2025.03.25

今回は、実家暮らしの子どもが家へ入れるお金の平均額や、子どもに生活費を入れてもらうときの金額の決め方などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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実家に入れるお金は平均いくらくらい?
株式会社モデル百貨が2023年に独身かつ実家暮らしの方1000人に対して実施したアンケート調査によると、年代別の実家に入れる生活費の金額の平均は以下の通りでした。
・20代:3万3232円
・30代:4万1750円
・40代:5万9131円
・50代:7万5473円
アンケート結果を基にすると、年齢が上がるほどに実家に入れるお金も多くなっていきます。もし子どもが30代の場合でいくらもらうか悩んでいるときは、平均である約4万円を目安にするとよいでしょう。
ただし、子どもの収入によっては平均額だと厳しいときもあります。一方的に金額を告げるのではなく、子どもに尋ねる形にして確認すると、お金の話をしてもお互いに心証が悪くならないでしょう。
実際の生活費は話し合って決める
株式会社モデル百貨のアンケート調査によると、子どもが実家暮らしを選択する理由として最も多かったのは「お金に余裕がないから」で32%です。また次に多い回答も「お金を貯めたいから」でお金にまつわることでした。
子どもが貯金をしたかったりできるだけ出費をおさえたいと言っていたりするにもかかわらず、費用を親が決めてしまうとトラブルにもつながりかねません。
生活費について話し合いをするときは、たとえ親子間であってもトラブルを避けるために、必要に応じて具体的な金額を明示しましょう。例えば、1人当たりの食費はいくら、電気代はいくらだから、その費用の分は出してほしいなどです。
1人分の食費が分からないときは、平均生活費を参考にするのもよいでしょう。総務省統計局の「家計調査 家計収支編 2024年」によると、単身世帯かつ34歳までの方の平均食料費は月4万305円です。ちょうど30代の方が実家に入れる金額の平均と同じくらいなので「食費だけは出してほしい」と伝えるとよいでしょう。
生活費を決めるときのコツ
まず、家計によほど余裕があるなどの状況でない限りは、子どもからも生活費を受け取った方がよいでしょう。人が1人増えたときは、生活費も大きく増えます。子どもに無償で実家暮らしを提供した結果生活が立ち行かなくなっては本末転倒なので、必要最低限だけでも受け取りましょう。
また、金額を相談する際は自身の将来設計も考えてからするとよいでしょう。やがて訪れる老後生活に備えて、お金はある程度貯めておく必要があります。子どもにいくら出してもらえれば、老後のための資金を確保しつつ生活できるかを考えましょう。
もし子どもに少し余裕を持ってほしいとの思いで生活費をあまり受け取らないのであれば、子ども自身には将来のために貯金したり投資したりするよう伝えるとよいでしょう。
平均額を目安にするなら月に4万円ほど
家に入れている生活費の平均額を参考にするのは問題ありませんが、実際に入れてもらう金額を決めるときはお互いに話し合いましょう。家の状況によって、同じ年齢でも必要な生活費は異なるためです。
今回のケースだと、まず4万円程度を出しても問題ないかを聞き、難しいようであればいくらなら出せるかを聞きましょう。単身世帯の平均出費も参考にする場合、4万円は毎月の食費程度です。「食事代だけでも出せないか」と聞くことで、相手への誠意を示しつつ生活費を支援してもらえるでしょう。
なお、生活費を決めるときには、老後のための資金を作れるのか、子どもは将来のために貯金したり投資したりできるのかもチェックポイントです。お互いに無理をして生活費を工面するようなことがないようにしましょう。
出典
株式会社モデル百貨 独身実家暮らしの人のお金事情に関するアンケート(PR TIMES)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2024年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号2 男女,年齢階級別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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