プロパンガスと都市ガスの価格差はどのくらい? 環境に優しいのはどっち?
配信日: 2025.03.28

この記事では、プロパンガスと都市ガスの特徴や価格差、環境への影響についてわかりやすく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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プロパンガスと都市ガスの違い
プロパンガス(LPガス)と都市ガスは、主成分や供給方法が異なります。プロパンガスは、プロパンやブタンが主成分です。それらのガスを液化してボンベに詰めて各家庭に配送されています。一方、都市ガスはメタンを主成分とし、気体のまま地下の配管を通じて各家庭に供給されています。
つまり、プロパンガスはボンベに詰めて運べる所ならどこでも利用できますが、都市ガスは配管が整備された地域でのみ使用可能ということです。また、プロパンガスは昔から自由料金でしたが、都市ガスは公共料金であり、規制料金だったという点で歴史が異なります。現在は一部地域を除き、どちらも自由料金です。
その名残もあり、プロパンガスは業者が自由に値段を設定しているため、都市ガスと比較して高くなりがちです。業者を決める際は複数と比較・検討しましょう。
料金の決め方が違う
プロパンガスと都市ガスの料金システムは異なります。プロパンガスは「輸入原価連動方式」であるのに対し、都市ガスは「総括原価方式」です。それぞれについてみていきましょう。
プロパンガスは、サウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコが、毎月決定して通告してくるガス料金の指標であるCP(Contract Price)と、米国産ガス料金の指標であるMB(Mont Belvieu)を掛け合わせて計算しています。
算出された数字が原価になり、固定費(利益と販売管理費)を加えて販売価格が決まります。料金体系は表1の通りです。
表1
CP(中東)×MB(米国)+固定費=販売価格
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会「プロパンガスと都市ガスの料金比較」を基に筆者作成
従来は、CPに100%連動していましたが、近年はシェールガスが大量に採取されるようになったため、料金システムのなかにMBの連動も取り入れられています。表2は都市ガスの料金体系です。
表2
原価+設備投資額+得たい利益=販売価格
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会「プロパンガスと都市ガスの料金比較」を基に筆者作成
総括原価方式を用いている都市ガスは、安定供給するために必要な原価が販売価格になる方式です。運営に必要な利益も価格転嫁することができるため、業者が赤字になる心配がありません。
価格差はどのくらいあるのか
プロパンガスと都市ガスの価格は、供給方法や市場の影響を受けて異なります。一般的に、プロパンガスは都市ガスよりも高価とされています。
プロパンガスは各家庭にボンベを配送するため、輸送や設備のコストが高くなることが理由の1つです。一方、都市ガスは各家庭にラインを引いていて、大量に一括供給できるため、輸送や設備コストを抑えやすいとされています。資源エネルギー庁などの調査によれば、プロパンガスの料金は都市ガス料金の約1.2倍です。
また、プロパンガスの基本料金は2000円近くに迫り、家計への負担が大きくなっています。ただし、これらの数値は居住する地域や供給業者によって異なるため、正確な比較を行うには、各家庭の料金明細を確認することが重要です。
環境への負荷に違いはあるのか
環境への影響を考える際、二酸化炭素(CO₂)の排出量は重要な指標です。プロパンガスと都市ガスのCO₂排出量を比較すると、都市ガスのほうがやや少ないとされています。
プロパンガスはLPガスとして、都市ガスはLNGとして販売されることが多いのでここではLPガスとして比較します。両者のCO₂排出量の差は15%で、長期的に見ると環境への影響に違いが出る可能性があります。
都市ガスとプロパンガス、どちらを選ぶべき?
都市ガスとプロパンガスの選択は、住んでいる地域やライフスタイルによって異なります。都市ガスが利用できる地域では、コスト面や環境負荷の観点から都市ガスを選ぶメリットがあります。
一方、都市ガスの供給がない地域では、プロパンガスが唯一の選択肢です。プロパンガスを利用する場合でも、複数の供給業者のなかから料金やサービス内容を比較して選ぶことで、コストを抑えられます。引っ越し先を決める前にはどちらのガスを使う地域なのかを事前に確認するのがお勧めです。
出典
資源エネルギー庁 家庭用液化石油ガス市況調査(速報版)
プロパンガス料金消費者協会 プロパンガスと都市ガスの料金比較
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー