いろいろな所でスキマバイト! トータルの労働時間が「週20時間」を超えたら社会保険に入らなくてはいけない?

配信日: 2025.04.18
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いろいろな所でスキマバイト! トータルの労働時間が「週20時間」を超えたら社会保険に入らなくてはいけない?
「スキマ時間を活用して効率よく働きたい!」そんな思いから、複数の仕事を掛け持ちする人が増えています。政府の働き方改革の影響で副業を認める企業が増えたことや、短時間・単発でできる仕事が広がったことも後押ししています。
 
しかし、スキマバイトを続けるうちに気になってくるのが「社会保険の加入義務」についてです。「いくつかのバイトを掛け持ちして、合計の労働時間が週20時間を超えたら、社会保険に入らなければならないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
 
スキマバイトは自由度が高い働き方ですが、社会保険や税金の管理は自分で行う必要があります。
 
本記事では、スキマバイトをしている人が社会保険に加入しなければならないケースや確定申告のポイントについて詳しく解説します。スキマバイトをするなら、社会保険のルールなどをしっかり押さえておきましょう!
富澤佳代子

1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®認定者/中小企業診断士

新卒で警察官としてキャリアをスタート。その後、都内税理士法人で勤務し、多くの企業の経理業務を手がけた経験を活かして独立しました。現在は、「会社のお金」と「家庭のお金」をワンストップで相談できるパートナーとして活動しています。
 
小学生の子どもを育てるママでもあり、ライフプラン作成やキャッシュフロー分析など、個人やご家庭向けの具体的で実用的なアドバイスを提供しています。
 
企業経理相談や経営分析にも精通しており、これまでの経験を基に、経営者が抱えるお金の悩みに幅広く対応。さらに、執筆やセミナー活動も行い、「知って得するお金の知識」を届けています。お金の管理や経営に関するお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

スキマバイトでも社会保険に入らないといけないの?

結論からいうと、単純に合計の労働時間が週20時間を超えたからといって、社会保険に必ずしも入らなければならないわけではありません。
 
社会保険(健康保険・厚生年金)の加入条件は、以下のとおりです。
 

(1) その会社の従業員数が51人以上の場合

● 1つの会社で週20時間以上働いている(フルタイムで働く従業員の週所定労働時間が40時間の企業等の場合)
● 月収8.8万円以上(基本給と諸手当合計額)
● 2ヶ月以上の雇用見込みがある
● 学生ではない(例外あり)

(2) 従業員数が50人未満の法人の事業所および常時5人以上の従業員を雇用している個人事務所(業種により例外あり)

● 1つの会社で週30時間以上働いている(フルタイムで働く従業員の週所定労働時間が40時間の企業等の場合)

つまり、「1つの会社でこれらの条件を満たした場合、社会保険に加入する義務がある」 ということです。基本的には、複数のバイトを掛け持ちしていて、合計の労働時間が週20時間を超えていても、1つの会社ごとに見ると要件を満たしていなければ、社会保険には加入しなくてもよいのです。
 

家族の扶養を外れた場合、どうなる?

社会保険の加入要件には該当しないけれど、スキマバイトを掛け持ちしたことで収入が増えて、家族の扶養から外れる場合は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。
 

■扶養から外れる条件(健康保険の場合)

●年収が 130万円(または106万円)を超えると、被扶養者の条件から外れる(106万円は社会保険適用拡大事業所の場合)
●主たる生計維持者ではないとみなされた場合

扶養から外れると、自身で国民健康保険と国民年金の加入手続きを行う必要があるため、注意が必要です。住んでいる自治体で手続きを行い、必要に応じて保険料を支払います。
 

スキマバイトをしている場合、確定申告は必要?

また、スキマバイトをしていると、「確定申告って必要なの? 」と気になる方も多いのではないでしょうか。確定申告が必要かどうかは、年間の所得額によって決まります。
 

■確定申告が必要or不要?

●年収が103万円以下(給与所得のみ) → 確定申告は不要(ただし、税金の還付を受けたい場合は申告可能)
●年収103万円を超え、かつ他の収入がある場合 → 確定申告が必要
●フリーランス(個人事業主)としての収入がある場合 → 所得が48万円を超えると確定申告が必要

また、アルバイトを複数掛け持ちしている場合、源泉徴収された税金の還付を受けられることもあります。「知らずに払いすぎていた…」ということがないように、自分の収入をしっかり確認し、必要に応じて確定申告を行いましょう!
 

まとめ

スキマバイトをしていると、「気づかないうちに社会保険の加入義務が発生していた! 」ということもありえます。

●1つの会社で週20時間以上&月収8.8万円以上なら社会保険に加入
●複数の会社で働いていても、単独の会社で条件を満たしていなければ加入不要
●扶養から外れる場合は、国民健康保険と国民年金に加入する必要がある

スキマバイトの自由さを生かしながら、社会保険や税金のルールを正しく理解し、自分にとって最適な働き方を選びましょう!
 

出典

日本年金機構 適用事業所と被保険者
 
執筆者:富澤佳代子
1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP®認定者

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