高校生の息子が「時給1500円」のバイトを始めたそうです。今はそんなに高いのが当たり前なのでしょうか?
本記事では、なぜここまで時給が上がっているのか、高校生でもそれが普通になっているのか、そして高時給のアルバイトに潜む注意点について解説します。
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目次
高校生の平均時給はいくらぐらい?
全国的に最低賃金が上がっていることもあり、アルバイト全体の時給も年々上昇しています。2024年10月以降、全国加重平均の最低賃金は1055円ですが、都道府県によって違いはあります。高い都道府県ベスト3は、1位が東京都の1163円、2位が神奈川県の1162円、3位が大阪府の1114円ですが、それ以下でも1000円を超えている地域も多くなっています。
これに合わせて、求人サイトに掲載されているアルバイトの時給も上昇傾向にあり、飲食店やコンビニなどでも時給1000円台が普通になってきました。
ただし、高校生の平均時給となると、地域差や業種の影響が大きいため一概にはいえませんが、都市部では1100円程度である一方、地方では最低賃金に近い水準と考えられます。そうしたなかで、時給1500円はかなり高めの部類に入るといえるでしょう。
時給1500円のアルバイトは本当に当たり前?
とはいえ、親からすると「高校生で時給1500円なんて、本当にそんな求人あるの?」と疑問に思うかもしれません。しかし、実際に求人サイトを見ると、「高校生可」「時給1500円以上」というアルバイトも一部存在します。例えば、以下のような仕事があります。
●宅配便の仕分けや荷物の積み下ろし作業
●テスト期間などの短期イベントアルバイト
●飲食店やコンビニの深夜帯シフト(22時以降)※18歳未満は不可
●繁忙期限定の高時給アルバイト(年末年始など)
上記のような仕事では、時給1500円でアルバイト求人が出ているケースが多くありますが、実際には仕事内容がきつかったり、短期間限定だったり、応募条件が厳しかったりすることがほとんどです。
また、18歳未満の高校生は労働基準法で午後10時~午前5時の間に働くことが禁止されているため、深夜手当(25%割増)がつく高時給アルバイトの恩恵を受けることはできません。
そのため、「高校生のアルバイトが時給1500円なのは当たり前か?」と聞かれれば、決して一般的とはいえないのが現状です。
時給が高い理由とは? 背景にある人手不足と最低賃金の上昇
なぜ高校生でも高時給のアルバイトが増えているのか。その背景には以下のような理由があります。
1. 最低賃金の引き上げ
ここ数年で、全国的に最低賃金が大きく引き上げられています。例えば、東京都の最低賃金は2013年には869円でしたが、2025年には1163円まで上昇しています。最低賃金が上がれば、それに合わせてアルバイトの時給も底上げされます。
2. 深刻な人手不足
特にサービス業や物流業では、人手不足が深刻化しており、人材確保のために時給を高く設定しているケースも目立ちます。企業側としては、「少し高い時給を払ってでも人が欲しい」状況にあるのです。
3. 競争の激化
大手のチェーン店が多数ある都市部では、企業同士でアルバイトの取り合いが発生しています。応募を増やすために、「高校生OK」「高時給」といった条件が目立つのもそのためです。
高校生が高時給のアルバイトをする際の注意点
魅力的な高時給のアルバイトですが、高校生が働くうえでは以下の点に注意が必要です。
・学業優先が原則
どんなに時給が高くても、学業に支障が出ては本末転倒です。アルバイトのシフトを優先して授業に遅れる、テスト勉強の時間が取れないということにならないよう、しっかり時間管理をしましょう。
・労働時間の制限
高校生(18歳未満)は、原則として1日8時間、週40時間を超える労働は禁止されています。また、深夜労働(22~翌5時)もできません。18歳以上の高校生も、校則やアルバイト先の規定で制限されている場合があるので注意しましょう。
・仕事内容の確認を忘れずに
高時給の求人には、重い荷物を扱う力仕事や、立ちっぱなしでの接客など、体力を要するものもあります。また、法律で高校生が従事できない危険な業務もあるので、仕事内容をよく確認し、自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。
・家族や学校への相談
高校によっては、アルバイトを禁止・制限している場合もあります。トラブルを防ぐためにも、アルバイトを始める前には学校や保護者としっかり話し合いましょう。
高校生のアルバイトで時給1500円は一部あるが、何より体調と学業を大切にしよう
高校生でも時給1500円のアルバイトは、一部存在します。ただし、それがすべての高校生にとって普通かというと、まだ限られた条件下での話です。高時給にはそれなりの理由があり、求められる業務内容もハードだったり、短期限定であったりすることが多いものです。
息子さんのアルバイトがその条件に当てはまる場合、「頑張っている」と評価しつつも、体調や学業への影響がないか気にかけてあげることが大切です。アルバイトは貴重な社会経験ですが、無理のない範囲で安全に働けるよう、家庭でもしっかりサポートしていきましょう。
出典
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
