子どもが小学生になったので、まずは「有期契約」で復職したいです。契約社員と派遣社員、給与が同じくらいなのですがどう違うのですか?

配信日: 2025.04.23
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子どもが小学生になったので、まずは「有期契約」で復職したいです。契約社員と派遣社員、給与が同じくらいなのですがどう違うのですか?
子育てが一段落して復職しようと考えた時、「ブランクがあるのでいきなり正社員になるのは……」と思う方もいるでしょう。雇用形態には、正社員のほかに、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトがありますが、それぞれどんな違いがあるのか確認してみましょう。
柴沼直美

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

雇用形態の種類と特徴

まず、雇用形態ごとの特徴を表にまとめました。
 


 

正社員(期間の定めがないフルタイム)

雇用期間は、「期間の定めがなく」原則フルタイム(週40時間程度)となります。社会保険(厚生年金・健康保険など)は原則加入です。また企業によりますが、昇給・賞与・退職金があり、安定性は高いといえるでしょう。
 
メリットとしては、雇用が安定し、収入も安定し先の見通しが立てられるので、長期的なライフプランが容易であること、福利厚生が充実している点をあげられます。
 
一方、デメリットとしては、フルタイム勤務前提のため、家事・育児との両立が難しい場合が出てくる可能性があります。責任も重くなり、職務によって残業や転勤の可能性もあります。
 

契約社員(有期雇用・フルタイムまたは時短)

雇用期間は、6ヶ月や1年など契約で定められた期間で、労働時間は勤務先によってフルタイムの場合もあれば時短の場合もあります。社会保険は原則加入対象で、契約更新の可能性もあります。
 
ここからいえることとして、まず、正社員よりも柔軟な働き方ができること、経験を積みながら、将来的に正社員登用を目指せることがメリットです。一方、契約が更新されない場合もありますので、正社員に比べれば雇用の安定さという点では劣ること、昇給・賞与・退職金がない場合が多いことが注意点です。
 

派遣社員(派遣会社との契約)

雇用期間は、派遣先によりますが、数ヶ月単位が多いようです。雇用主はあくまでも派遣元(派遣会社)です。給与は一般的に派遣会社が提示した時給制で、社会保険の加入は派遣元の条件に依存します。
 
働く時間・場所を選びやすいことと、さまざまな業界や職種を経験できること、さらに派遣会社によっては、キャリア形成に役立つ研修をはじめ、福利厚生面でもサポートが受けられる場合があることがメリットです。
 
デメリットとしては雇用の安定性という点では劣ること、昇給やキャリアアップは自分で工夫していく必要があるという点があげられるでしょう。
 

パート・アルバイト(短時間勤務・時給制)

更新の可能性がある有期契約、労働時間は週20時間未満~ですが、職場によります。社会保険は原則として週20時間以上・月収8.8万円以上等で加入対象となります。
 
メリットは、勤務日数や時間を調整しやすいため、子育てと両立しやすいことです。反面、収入が不安定になりがちであること、社会保険や福利厚生の対象外になる可能性が高いこと、そしてキャリア形成に時間がかかることがデメリットとしてあげられます。
 

まとめ

最初は“無理のない働き方”を選ぶのも長続きする秘訣です。家庭とのバランスを大切にしながら、契約社員やパートなどからスタートし、徐々にステップアップしていく方法にシフトしている人も多く見受けられます。
 
働き方、キャリア形成と同時に社会保険の加入条件の確認も忘れずに行いましょう。週20時間以上働くと、扶養から外れる可能性もあります。手取り額と保険料のバランスも確認するといいでしょう。
 
ライフプランに合わせて「働き方の目標」を持つことが大切です。雇用形態は、将来の収入や年金に影響します。長い視点で「ずっとパートでよいのか? 」「将来正社員を目指すか? 」を意識し、優先順位をキャリアや収入、将来の年金におくのか、ワークライフバランスに置くのかその都度柔軟に考えていくことが大切です。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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