大学生の息子から、仕送りを「月8万→10万円」にしてほしいと連絡が! 食費が「月5万円」らしいけど、平均と比べて高すぎる?「月10万円」だと贈与税もかかりますよね…?
本記事では、「食費が月5万円かかるから仕送りを月8万円から10万円に増やしてほしい」と言われた場合のポイントを、「食費の妥当性」「贈与税の取り扱い」「仕送りを増やす前に考えたいこと」の3つの視点から解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
食費が「月5万円」というのは妥当か?
まずは、息子の仕送り増額の理由として挙げられた、「食費が月5万円」という金額について考えてみましょう。全国大学生活協同組合連合会が実施した「第59回学生生活実態調査 概要報告」によると、自宅外生の1ヶ月の食費の平均額は約2万6000円です。
この調査結果から見ても、月5万円の食費は平均の約2倍近い金額です。もちろん、生活スタイルや地域差によって食費が変動することはありますが、必要以上に外食をしている可能性や節約できる部分があるかもしれません。
息子に具体的な食費の内訳を確認し、家計簿やクレジットカードの明細を見せてもらうことなどを検討しても良いでしょう。
月10万円の仕送りで贈与税はかかる?
次に、「月10万円の仕送りをすると贈与税がかかるのではないか?」という疑問について解説します。
贈与税は、1年間の贈与額が110万円を超える場合に発生します。「月10万円」を贈与した場合、年間では120万円です。
しかし、今回のケースで重要となるのが、大学生の生活費や学費など、親が扶養義務の範囲内で負担する金額については、たとえ年間110万円を超えても贈与税の課税対象外となる点です。そのため、息子への仕送りが月10万円(年間120万円)になったとしても、贈与税が課されることはありません。
ただし、仕送りの一部が扶養義務を超えるようなもの、例えば、高額な趣味やぜいたく品の購入資金に使われている場合は、贈与税の対象となる可能性があります。これを避けるためにも、仕送りの目的を明確にし、必要な費用を見極めることが重要です。
仕送りを増やす前に考えたいこと
ここまでの内容も踏まえつつ、仕送りを増額する前に、確認したいことを見ていきましょう。
まずは、現在の仕送りの使い道を把握することが大切です。息子への生活費全体を見直し、食費以外にも無駄な出費がないか確認しましょう。例えば、娯楽費や交際費が過剰である場合、仕送り額を増やす前に支出の見直しを促すことが必要です。
節約術やアルバイトの活用を提案することも、有効な手段の1つです。仕送りだけで生活費を賄うのではなく、節約したり、アルバイトをしたりすることで不足分を補うように促すのです。大学生活の中で金銭感覚を身に付けることは、息子にとっても将来のためになるでしょう。
仕送りは、あくまで学業を支えるためのものです。生活費や学費が目的であることを再確認し、それ以外の目的に使われることがないよう注意しましょう。
まとめ
息子からの仕送り増額の要望に対しては、「食費の月5万円が妥当か」「仕送り増額による贈与税の影響」「仕送りを増やす前に考えるべきポイント」を踏まえて検討することが重要です。今回の検証では、食費は平均を大きく超えている可能性があることが分かりました。また、今回のような仕送り増額による贈与税の心配は、基本的に不要です。
仕送りを増額するかどうかは、最終的には家庭の判断によるものですが、息子に生活費の内訳を見直させたり、節約術を身に付けさせたりすることで、無駄を省きつつ必要なサポートを提供できることもあるでしょう。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第59回学生生活実態調査概要報告
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
