子どもが「時給1300円」のバイトを始めるようですが、高すぎませんか?20年前は「約700」円だったのに…

配信日: 2025.04.22 更新日: 2025.04.24
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子どもが「時給1300円」のバイトを始めるようですが、高すぎませんか?20年前は「約700」円だったのに…
求人募集広告などを見ると、昔より賃金が大きくアップしていることに気づくことがあります。職種や労働時間帯などにもよりますが、時給1000円を優に超えている求人を見ることも珍しくありません。
 
今回のケースでは時給1300円のアルバイトについて、親御さんが驚いているようです。昔の賃金と比べて倍近くになっていると感じているのかもしれません。
 
本記事では、時代によって賃金がどのように推移してきたかを解説します。
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20年前の賃金と現在の賃金の比較

厚生労働省の資料によると、2005年(平成17年)度の最低賃金は、全国加重平均額で「668円」でした。都道府県別に見ると、600円台の最低賃金が圧倒的に多く、700円台は東京都や神奈川県、大阪府しかありません。
 
一方現在の最低賃金を見ると、20年前より大きくはね上がっています。2024年(令和6年)度を参照すると、全国加重平均額は「1055円」です。
 
2005年と比較して387円も伸びています。1000円台にのせている都道府県は16を数えており、トップの東京都は「1163円」でした。そのほかもすべて900円台に改定されています。このように最低賃金はここ数十年で明らかに伸びているようです。
 

3大都市圏の平均時給は1630円にも達する

最低賃金は、使用者が労働者に支払う最低額を指しますが、実際の求人では最低賃金を大きく超える求人募集がされている例が少なくありません。
 
ディップ株式会社の調査によると、2025年2月度の派遣求人において、3大都市圏の平均時給は「1630円」でした。内訳を見ると、関東エリアは「1715円」、東海エリアは「1476円」、関西エリアは「1512円」です。
 
このように大都市が集まるエリアでは、最低賃金を大きく上回る時給で求人が募集されることも珍しくありません。職種別に見ると、ITに関連した業務が特に高いようです。表1に職種別の平均時給をまとめました。
 
表1

職種 3大都市圏の平均時給
事務・オフィス系 1572円
販売・営業・飲食・サービス系 1546円
WEB・クリエイター系 1832円
IT・エンジニア系 2308円
医療・介護・研究・教育系 1647円
工場・軽作業・物流・土木系 1399円

出典:ディップ株式会社「2025年2月度3大都市圏の派遣時給についての調査」を基に筆者作成
 
今回は時給1300円のアルバイトが例に挙げられていますが、就業地や職種によっては1300円がとりわけ高いとはいえないかもしれません。
 

アルバイトやパートの時給が上がっている理由

アルバイトやパートの時給が上がっている背景には、いくつかの理由が考えられます。代表的な要因として「人手不足」と「物価高騰」が挙げられるかもしれません。
 
日本商工会議所・東京商工会議所が中小企業6013社を対象に行った調査(回答企業数3308社)では、「賃上げを予定している理由」として以下のような事由が挙げられていました。


・従業員のモチベーション向上:77.7%
・人材の確保・採用:58.8%
・物価上昇への対応:51.6%

同調査において「人手が不足している」と回答した企業は64.3%にものぼります。人材確保が難しい場合、賃金を上げることでより多くの人を呼び込もうとする動きが起こると考えられます。また賃上げにより労働者のモチベーションが上がることも期待できます。
 
物価高騰も賃上げの背景にあるようです。物価が高騰すると労働者の生活維持に影響が出かねません。労働者を守る観点から、賃上げを実行する企業も少なくないようです。
 

20年前と比較して時給は大幅にアップしている

20年前の水準と比較して、最低賃金は数百円高くなっています。また最低賃金を大きく上回る求人広告も多くあります。今回のケースのように時給1300円で募集されることも珍しくないでしょう。
 
賃金アップの背景には人手不足や物価高騰などさまざまな要因が考えられます。大都市圏だけでなく地方においても今後賃上げが加速するかもしれません。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 平成14年度から令和6年度までの地域別最低賃金改定状況(1ページ、5ページ)
ディップ株式会社 2025年2月度派遣求人 3大都市圏の平均時給は1,630円
日本商工会議所・東京商工会議所 「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」調査結果(4ページ、11ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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