令和6年の米の平均価格は「2万円」を超えた！？「備蓄米21万トン」って、国民一人当たりだと「茶碗何杯分」になるの？
今回は、備蓄米が放出されるに至った理由や放出される米は日本人口に対してどれくらいの量を賄えるのか、米の価格の変動などについてご紹介します。
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備蓄米はなぜ放出される？
農林水産省によると、備蓄米は米の安定供給のために法律により定められている制度のことを指すようです。備蓄量としては、「10年に一度の不作にも供給できる量」として、令和6年時点で100万トンが国に保管されているようです。
備蓄米の放出が決定された背景には、米の流通数の減少があるとされています。令和7年2月4日に行われた農林水産大臣の会見では、令和6年11月末時点で17万トン、12月末時点では21万トン不足していると公表されました。
こうした状況を受けて、令和7年2月14日の会見時点で「流通がスタックしている状況を改善するため」として、21万トンの備蓄米放出が発表されています。
なお、まとめて放出するのではなく、1回目では15万トンの放出が実施されました。このうち、10万トンは令和6年度に作られた米、5万トンは令和5年に作られた米です。農林水産大臣によると、令和6年産、令和5年産で味や品質などに大きな差はないとしています。
21万トンのお米があると国民一人につき茶碗何杯分になる？
農林水産省によると、精米したお米を炊いたご飯にするときの重さは「炊いたご飯の重さ=精米の重量×2.2～2.3」で求められるとされています。仮に21万トンのお米が精米だったとすると、すべて炊いたご飯にしたときの量は「21万トン×2.2～2.3」で46万2000～48万3000トンです。
茶碗1杯分のご飯を150グラムとすると、21万トンのお米で30億8000万～32億2000万杯分のご飯が炊ける計算になります。総務省統計局によると、日本の総人口は令和7年3月時点での概算値で1億2344万人です。つまり、21万トンのお米で全国民に対して一人あたり約25～26.1杯のご飯を供給できることになります。
なお、普段から米を食べない方や外国籍の方が食べるケースなどもあるので、実際に購入して食べる人数と日本人口が一致するわけではありません。あくまでも参考値としてください。
米の価格はどれくらい変動している？
農林水産省の「長期的な主食用米の価格の動向」によると、令和元年から令和6年までの間に、60キログラム当たりの主食用米の平均価格は以下のように変動しています。
●令和元年：1万5716円
●令和2年：1万4529円
●令和3年：1万2804円
●令和4年：1万3844円
●令和5年：1万5315円
●令和6年：2万4383円
令和元年から令和3年にかけては徐々に価格は低くなっていきましたが、令和4年から価格の高騰が始まり、令和6年には2万円を超えている結果です。令和に入ってから最も低い平均価格だった令和3年と比較すると、令和6年の平均価格は約1.9倍上昇しています。
また、農林水産省の発表では、令和7年2月時点の相対取引価格は2万6485円でした。このことから、令和7年3月時点で米の価格は引き続き上昇傾向にあると考えられます。
しかし、備蓄米の放出により供給量が増えることで、供給が追い付けば価格上昇はおさえられる可能性もあるかもしれません。
21万トンの米があれば国民一人につき約25杯のご飯を供給できる
農林水産省によると、備蓄米は米の安定供給のために法律により定められている制度のことを指すようです。令和6年12月末時点では21万トンの供給量不足があり、供給がスタックしているなどの理由から令和7年の備蓄米放出が決定されました。
もし21万トンの米があれば、令和7年3月時点の日本人口で一人当たり約25〜26.1杯のご飯を供給できる可能性があると考えられます。米の価格は上昇傾向にはありますが、こうした備蓄米の放出により、ある程度期間が経過すれば価格が落ち着くこともあるかもしれません。
出典
農林水産省 備蓄米制度（びちくまいせいど）について教えてください。
農林水産省 江藤農林水産大臣記者会見概要 令和7年2月4日（火曜日）8時39分～8時45分 於: 参議院議員食堂
農林水産省 江藤農林水産大臣記者会見概要 令和7年2月14日（金曜日）9時06分～9時36分 於: 本省会見室
農林水産省 江藤農林水産大臣記者会見概要 令和7年3月21日（金曜日）8時30分～8時41分 於: 本省会見室
農林水産省 お米の重さとご飯の重さの違いを教えてください。
総務省統計局 人口推計（2024年（令和6年）10月確定値、2025年（令和7年）3月概算値） （2025年3月19日公表）/a>
農林水産省 長期的な主食用米の価格の動向
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
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