就職1年目の息子が「今の仕事に向いてないかも」と退職を考えています。親としてはキャリアも考え「3年はがんばれ」と言うべきですか? 転職を応援すべきでしょうか…?

配信日: 2025.04.24
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就職1年目の息子が「今の仕事に向いてないかも」と退職を考えています。親としてはキャリアも考え「3年はがんばれ」と言うべきですか? 転職を応援すべきでしょうか…?
社会人になった子どもが仕事について思い悩んでいるとき、親としてはどのようにアドバイスすれば良いか迷ってしまうことでしょう。
 
では、社会人になって1年ほどの息子が「この仕事、自分には向いていないかも……」と退職を考え始めたとき、親としてどう対応するべきでしょうか?
 
本記事では、就職1年目で辞めたいと感じる心理や、早期退職がキャリアに与える影響、そして「3年は我慢すべき」という考え方のメリット・デメリットを整理しつつ、親としてどのようにアドバイスすればよいのかを考えていきます。
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就職1年目で辞めたい理由は? 若者のリアルな悩み

就職1年目で仕事を辞めたくなる理由は人それぞれですが、例えば「仕事内容が思っていたものと違う」「職場の人間関係がうまくいかない」「残業が多くプライベートの時間がない」といったものが挙げられます。
 
新卒で入社すると、社会の現実に直面し、「思っていたものと違う」と感じることは少なくありません。時間は有限であるため、可能であれば早々に別の会社に転職することも1つの選択肢です。
 
しかし、ここで気になるのが「今辞めたらキャリアに傷がつき、将来に影響するのか? 」という点です。
 

すぐに辞めたらキャリアに傷がつく?

一般的に、「仕事をすぐに辞めると次の転職が不利になる」と言われます。履歴書に「1年で退職」と書くと、「忍耐力がない」「またすぐ辞めるのでは? 」と思われる可能性はあります。しかし、昨今は人手不足ということもあり、早期退職者に対して柔軟な対応をする企業も決して少なくありません。
 
特に、「なぜ辞めたのか」を明確に説明できれば、転職活動で不利にならないケースも多いでしょう。ただし、転職先の選択を誤ると、再び「合わない」と感じて短期間で辞めるリスクもあるため、慎重に考える必要があります。
 

「3年は我慢」することに価値はあるのか? リスクは?

「3年は我慢しろ」というのは、退職や転職を考えているときによく言われる言葉かと思いますが、その根拠は「ある程度の経験を積めば仕事に慣れる」「職務経歴書に書けるキャリアになる」といったものが挙げられます。
 
確かに、3年ほど働けば仕事の全体像が見えてきて、スキルや知識も身につき、転職の際に実績もアピールしやすくなるでしょう。
 
しかし、3年続けることが必ずしも正解とは限りません。特に、精神的・肉体的に追い詰められていたり、業界や職種自体に強い違和感があったり、給与が低すぎて生活が厳しかったりする場合、「我慢するリスク」のほうが大きくなります。
 

会社を辞めたらお金の面で気になる点

会社を辞めた場合、やはり気になるのはお金の面ではないでしょうか? 会社を辞めても生活していける見通しを立てたうえで、会社を辞める判断をしたいと考える人も多いでしょう。退職後のお金について主なポイントを見ていきましょう。
 

退職後の収入はどうなる?

会社を辞めると、当然ながら給料は支払われません。「会社から給料が出なくても、失業保険があるからいいや」と考える人もいるかもしれませんが、失業保険にも条件があります。
 
自己都合退職者の場合、失業給付(基本手当)の申請をしてから7日間の待期期間を経たうえで、(初めての離職の場合)2ヶ月の、給付制限期間があります。2025年4月からは、この給付制限期間が1ヶ月に短縮されますが、いずれにせよ「失業後すぐに受給できる」というわけではありません。
 
そもそも、失業給付を受けるには、基本的には離職の日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。そのため新卒1年目での退職の場合、失業給付を受けられない可能性も十分考えられます。再就職までの生活費をどうするかはしっかりと考える必要があるでしょう。
 

転職活動にかかる費用

転職には履歴書や職務経歴書の準備、面接のための交通費、場合によってはスーツなど面接に必要なものの購入費用が必要です。
 
また、転職エージェントを活用する場合は、多くの場合は無料ですが、有料のキャリアコーチングを受けると多額の費用がかかることもあります。
 

退職後の社会保険料

会社を辞めると、健康保険や年金の支払いが個人負担になります。社会保険料は月数万円ほどかかるため、再就職までの収入がない期間、負担は決して軽いものではありません。
 
事前にどのくらいの負担が発生するのか確認しておくことが重要です。
 

親として息子にできるアドバイスとサポート

就職1年目の息子が「辞めたい」と言ったとき、親としてどう接すればよいのでしょうか?
 
まずは感情的にならず、話を聞くことが大切です。「考え方が甘い」などとすぐに否定するのではなく、息子が何に悩んでいるのかを冷静に聞きましょう。
 
その際には、「辞めたい」と考える原因を一緒に考えましょう。仕事が向いていないのか、環境が合わないのかなど、原因を明確にすれば、転職すべきかどうかの判断がしやすくなります。
 
また、無計画に辞めると、次の仕事が決まらずに経済的に困るかもしれません。「辞めるなら次の就職先を決めてから」とアドバイスすると良いのではないでしょうか。
 
転職活動には時間と労力だけでなく、費用がかかります。失業期間中の生活費はどうするのか? 貯金はあるのか? 転職活動にかかる費用はどのくらいか? そうした現実的な部分を考えさせることで、安易な退職を防ぐことにもなるでしょう。
 

まとめ

退職を考えている息子の意見を聞かずに「3年は我慢しろ」も、「すぐに辞めろ」も、どちらも極端な意見です。大切なのは、息子が納得して次の一歩を踏み出せるようにすることです。
 
息子が将来後悔しない選択をできるよう、冷静な視点でアドバイスをしてあげましょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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