月収30万円で「育休中」の会社員。復職を「月末→月初」にすれば、4万円以上“お得”になるって本当ですか? 復職タイミングの注意点とは
実は、社会保険料は「月単位」で発生するため、月末に1日でも働くと、その月の分の社会保険料が発生してしまいます。
本記事では、月収30万円のケースを例に、復帰時期の違いによる社会保険料の負担額の違いや、復職のタイミングを調整する際の注意点について解説します。
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社会保険料は「月単位」で発生する
社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は、月単位で計算され、月末時点で会社に在籍している場合、その月の保険料が発生します。
つまり、例えば「3月31日」に復職した場合、その1日分の勤務で「3月分の社会保険料」を負担しなければなりません。一方、「4月1日」に復職すれば、3月分の社会保険料は発生しません。
月収30万円の場合、どれくらいの差が出る?
それでは、実際にどれくらいの金額差が生じるのかを見てみましょう。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の東京都の保険料額表をもとに試算すると、月収30万円の場合、健康保険料と厚生年金保険料の自己負担額は以下の通りです。
●健康保険料(一般保険者):1万4865円
●厚生年金保険料:2万7450円
このように、たった1日でも月末に在籍しているだけで、4万円以上の社会保険料が発生することになります。
復職のタイミングを調整する際の注意点
復職を「月初」にすることで社会保険料を節約できる可能性がありますが、全ての人が自由に復職日を決められるわけではありません。注意しておきたい点を見ていきましょう。
会社の締め日との関係
多くの企業では給与計算の締め日が決まっていますが、それに合わせて復職日を設定しなければならないケースがあります。例えば、25日締めの会社であれば、「25日以降に復職しないとその月の給与が支払われない」といったルールがあるかもしれません。
復職日の調整をする際には、事前に会社の人事担当者に相談しましょう。
育児休業給付金の支給要件
育児休業給付金は、休業開始前の賃金の67%(育児休業の開始から180日以降は50%)が支給される制度です。育児休業給付金は、復職のタイミングや就業時間によって支給額が減額されたり、支給されなかったりします。
支給額が減るのを極力避けたい場合、ハローワークや会社に確認しておくとよいでしょう。
復職後の手続きと職場の状況
復職する際には、健康保険の手続きや扶養の見直しなど、さまざまな手続きが必要です。
月初の繁忙期に復職すると、業務が忙しく十分なサポートを受けられない可能性もあるため、職場の状況も考慮したほうが、スムーズに復職できることもあるでしょう。
まとめ
育児休業からの復職を「月末」ではなく「月初」にすることで、月収30万円の場合は約4万円以上の社会保険料を節約できる可能性があります。そのため、復職のタイミングは慎重に検討したいところです。
ただし、会社の締め日や育児休業給付金の関係で、希望通りに調整できないこともあるため、事前に会社の人事担当者やハローワークに相談することをおすすめします。
復職のタイミングを少し工夫するだけで、大きな節約につながることもあります。余裕をもって復職の計画を立てましょう。
出典
全国健康保険協会 令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)
厚生労働省 育児休業を取得中(取得予定)の方・育児休業給付金の申請手続を行う事業主の方へ 育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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