転勤により夫が「単身赴任」になります。生活費の負担はどのくらい見ておくべきでしょうか?
本記事では、単身赴任にかかる平均的な生活費や初期費用、会社から支給される手当について説明し、家計の負担を抑えるためのポイントについて解説します。
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単身赴任の生活費、平均でどれくらいかかる?
夫が単身赴任になると、家賃や食費、光熱費など、ふだんの生活とは別にもう一つの生活費が発生します。では、実際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
総務省「家計調査 家計収支編 2024年(単身世帯・勤労者世帯)」によると、1ヶ月の生活費の平均は18万3950円です。内訳としては、以下のとおりです。
食費:4万5750円
住居費:3万1415円
光熱・水道費:1万1142円
家具・家事用品:5060円
被服及び履物:5992円
保健医療:8302円
交通・通信費:2万3806円
教養娯楽費:2万2640円
その他の消費支出:2万9834円
上記を見ると、住居費の3万1415円は安く感じるかもしれませんが、こちらは全国持ち家・賃貸を合わせた平均額です。賃貸の場合、1R~1DKの家賃相場は地方都市で4~6万円、東京23区なら8~14万円かかると考えられます。
したがって、地方都市や東京23区など家賃が高い地域に赴任する場合の生活費は、月20以上かかると考えておくとよいかもしれません。
単身赴任にかかる初期費用も要チェック
新たな生活を始めるには、月々の生活費だけでなく、最初の引っ越しや新居の準備にもお金がかかります。例えば、引っ越し費用は距離や時期、荷物の量にもよりますが、一般的には4万5000〜8万円ほどが相場です。
新居にかかる初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)は家賃の4ヶ月分前後が目安で、仮に家賃が7万円なら28万円程度となります。さらに、家具・家電を新品でそろえる場合は7〜12万円、中古品やレンタルを活用する場合は3~5万円ほどの費用が必要になります。
初期費用の合計は、50万円程度を見込んでおくと安心です。ただし、会社によっては引っ越し費用や家賃補助があるため、転勤の辞令が出たら早めに会社の制度を確認しましょう。
会社から支給される手当を確認しよう
単身赴任の経済的負担を軽減するため、会社からはさまざまな手当が支給されることがあります。よくある手当には、次のようなものがあります。
・単身赴任手当
生活費の増加に対して、支給される手当です。金額は会社によって異なりますが、厚生労働省の「令和2年 就労条件総合調査の概況」によると、令和元年11月分の単身赴任手当や別居手当の平均支給額は4万7600円です。
・住宅手当(家賃補助)
会社によっては、赴任先の家賃の一部または全額を会社が負担してくれる場合があります。「令和2年 就労条件総合調査の概況」によると、令和元年11月分の住宅手当の平均支給額は1万7800円です。
・帰省旅費手当
一定の頻度で自宅に戻るための、交通費を補助してくれる制度で、実費精算で交通費を補助するケースが多いようです。ただし、支給金額や回数の上限は会社によって要件は異なります。
・引っ越し費用の補助
単身赴任先への、引っ越し代を会社が補助する制度です。どこまでの費用が補助対象になるかや上限額などは、会社によって異なります。
これらの手当は、会社の就業規則や転勤規定に基づいて支給されるため、事前に人事担当者などに確認しておきましょう。
家計の負担を抑える工夫とは?
単身赴任中の生活費を少しでも抑えるためには、いくつかの工夫が効果的です。
まず、自炊を習慣化することです。外食やコンビニ食を減らすことで、食費を月1〜2万円ほど節約できる可能性があります。例えば、外食を週3回から1回に減らすだけでも月1万円程度の節約につながります。
また、光熱費や通信費も見直し対象です。電気やガスの使い方に気を付けるほか、スマホのプランやサブスクサービスを見直すと、毎月の固定費に差が出ます。
さらに、家具・家電付きの賃貸物件を選ぶことで、初期費用や家財道具の出費を大きく抑えることができます。最近では、備え付けの冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどを完備した物件が増えており、家電購入費用が10万円程度節約できる場合があります。
まとめ
夫の単身赴任には、家賃や生活費、引っ越し費用など、想像以上に出費がかさむことがあります。費用は月あたり20万円程度、初期費用では50万円程度を見込んでおくと安心でしょう。
ただし、会社からの手当を活用したり、生活費を抑える工夫を取り入れたりすることで、家計への負担を和らげることができます。
単身赴任は家族にとっても大きな変化ですが、しっかりと準備し、先を見据えた家計管理をすることで、安心して新生活をスタートさせることができるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 2024年 表番号2 単身世帯・勤労者世帯
厚生労働省 令和2年 就労条件総合調査の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
