「使ってない口座」の管理費用って本当に発生するんですか? 昔の口座を「5年間」放置しています。

配信日: 2025.04.25
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「使ってない口座」の管理費用って本当に発生するんですか? 昔の口座を「5年間」放置しています。
ふと気がつくと、もう何年も使っていない銀行口座。給与振込先が変わったり、引っ越しで別の銀行に切り替えたりと、使わなくなった理由はさまざまですが、処分するのが面倒などで放置していませんか?
 
実は最近、「未利用口座」に対して管理手数料が発生するケースが出てきています。かつては無料で放置しておけた銀行口座ですが、今では一定の条件下でお金が差し引かれてしまうこともあるのです。
 
そこで本記事では、「5年間放置している口座に管理費用は発生しているのか?」という疑問について、仕組みや注意点を解説します。
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実際に管理手数料が発生する銀行もある

多くの銀行では、長期間利用がない口座に対して「未利用口座管理手数料」(年間1320円、税込み)を導入しています。主に残高1万円未満の口座が対象で、事前通知後に手数料が自動的に引き落とされます。
 
対象となるのは、比較的新しく開設された口座や、残高が一定額を下回る口座など、条件を満たした場合に限られます。また、一定期間内に取引があれば手数料はかからないなど、各行によって適用ルールは異なります。
 
未利用口座管理手数料は、不正利用防止や管理コスト削減、預金者の口座整理促進を目的に導入されています。使わない口座のリスクと負担を減らすための制度です。これにより、預金者にとっては「使っていない=無料で保有できる」という常識が変わりつつあることを示しています。
 

「5年放置」していたらどうなる?

2年以上入出金がなく、残高が一定額以下の口座では、すでに管理手数料が発生している可能性があります。ただし、この手数料の適用条件は銀行によって異なります。
 
また、10年以上取引がない口座は「休眠預金」として預金保険機構に移され、公益活動に活用されます。
 
「えっ、勝手に預金がなくなるの?」と心配になるかもしれませんが、安心してください。移管された預金は、本人確認など所定の手続きを行えばいつでも払い戻しが可能です。
 
ただし、ゆうちょ銀行の場合は注意が必要です。2007年9月30日以前に開設された口座については、20年2ヶ月以上利用がないと権利が消滅し、払い戻しができなくなる場合があります。
 
なお、2007年10月以降の預金は、休眠預金制度(10年未利用で移管対象)が適用されます。移管後も払い戻し可能ですが、長期放置は避けましょう。
 

手数料や移管を防ぐための対策

では、使っていない口座で手数料を取られないためには、どうすればよいのでしょうか? 使っていない口座で手数料を取られないためには、次のような方法が効果的です。
 

1. 年に1回でも取引をする

最も簡単で確実な方法は、「入出金を1回でも行うこと」です。100円の入金やATMでの引き出しも有効で、未利用口座扱いを避けられます。
 

2. 残高を1万円以上に保つ

多くの銀行では、残高が1万円以上ある場合、未利用手数料の対象外になります。放置している口座にある程度の金額が残っていれば、手数料が差し引かれない可能性があります。ただし、一部の金融機関では残高基準が異なるため、事前に確認が必要です。
 

3. 他の商品を一緒に利用する

定期預金や投資信託などを同じ銀行で保有していると、普通預金が未利用状態でも手数料が免除されることがあります。銀行によって条件は異なりますが、長期的な資産運用をしている場合は確認しておくと安心です。
 

4. 使っていない口座は解約する

もう使う予定のない口座であれば、思い切って解約するのがベストです。使っていないのに複数の口座を放置していると、いつの間にか複数の管理手数料が差し引かれるリスクもあります。
 
解約には通帳や届出印、本人確認書類が必要です。手数料が発生する前に、早めの手続きを心掛けましょう。
 

放置口座のチェックは定期的に

かつては取りあえず作っておいた口座も、現在では管理の対象となるケースが増えています。特に、ネットバンキングが主流になった現在、使っていない口座の存在をすっかり忘れがちです。
 
手数料を無駄に支払わないためには、放置口座の定期チェックが欠かせません。2年以上取引がない口座は手数料が発生する可能性があり、10年以上未使用の場合は休眠預金化のリスクがあります。
 
心当たりのある口座があれば、まず残高と最終取引日を確認しましょう。不要なら思い切って解約を検討する。逆に、今後も使う可能性があるなら、年に1回程度の入出金で未利用状態を解除できます。
 
解約手続きには通帳・印鑑・本人確認書類が必要です。手数料が引き落とされる前に早めに対処し、余計な出費を防ぎましょう。わずかな手間で年間1300円以上の節約につながるなら、やっておいて損はありません。
 

出典

金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
ゆうちょ銀行株式会社 長期間ご利用のない貯金のお取り扱いについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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