“休職中に退職”した場合に退職金は受け取れる?金額はどのように計算される?
このようなとき、退職金は通常通り受け取れるのか、それとも金額が減ってしまうのか、心配になる人もいるかもしれません。
本記事では、休職中に退職した場合の退職金について詳しくご紹介するとともに、時短勤務だった場合の退職金についてもまとめています。
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休職中に退職すると退職金はもらえる?
労働基準法に退職金を支払わなければならないという取り決めはありません。そのため、退職金を支払うかどうかは企業が自由に決められると考えられます。
休職中に退職した場合に退職金が支払われるかどうかについても、会社の判断によるでしょう。企業によっては勤続年数を基に退職金を決めているため、休職中をどのように扱うかで支給される退職金の金額が変わってくる可能性があります。
つまり、会社が「休職中の期間は勤続年数に含まない」と就業規則で定められている場合は、支給される退職金の金額が減ることになるかもしれません。
ただし、会社側はその旨を就業規則に明記しておく必要があります。労働基準法第八十九条三の二には「退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」についての就業規則を作成しなければならないと記載されています。
休職した場合の退職金がどのような扱いになるのか、事前に就業規則を確認しておきましょう。
勤続年数は退職金の金額にどう影響する?
休職中に退職した場合の退職金について知りたいときは、会社がどのような制度を採用しているか確認しましょう。例えば、退職金が一括で支払われる「退職一時金制度」を採用している場合は、勤続年数に応じて支給額を決定する方法や、退職時の基本給と勤続年数を基に計算する方法などがあるようです。
退職金を一時金として受け取ると税金の支払い負担が気になりますが、この場合は「退職所得控除」が適用されるため、確認しておくとよいでしょう。国税庁によると、退職所得控除は勤続年数によって図表1のように計算されます。
図表1
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
| 20年超え | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
国税庁「タックスアンサーNo.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」を基に筆者作成
つまり、勤続年数が長いほど非課税枠が大きくなり、受け取れる退職金の額が増えることになります。
時短勤務だった場合の退職金はどうなる?
事情により時短勤務をしていた時期があった場合には「退職金が減るのではないか?」と不安になる人もいるでしょう。この件についても、どのように扱われるかは企業の取り決めによるようです。
退職金の金額を基本給と勤続年数で計算する場合は、フルタイムで勤務していたときの基本給で計算されれば、時短勤務をしたことで退職金の金額が減ることはないでしょう。しかし、就業規則に算定方法に関する取り決めが記載されている場合などは、それに従うことになると考えられます。
退職金の有無や計算方法は企業の判断による
休職中にそのまま退職した場合に退職金が支払われるかどうかは、企業の判断によります。その計算方法についても同様で、勤続年数に応じて金額が決まるケースや、退職時の基本給と勤続年数を基に計算するケースなどがあるようです。
一時金として退職金を受け取る場合は税金の支払い負担が大きくなる可能性もあるため、退職所得控除の適用についても確認しておくことをおすすめします。
また、時短勤務の場合の退職金についても企業の判断によるようなので、就業規則などをチェックしておくとよいでしょう。
出典
デジタル庁e-Gov法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九章 就業規則 (作成及び届出の義務)第八十九条三の二
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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