40代・子ども2人の家庭です。わが家の貯金は「600万円」ですが、世帯平均と比べて多いほうでしょうか?
配信日: 2025.04.29

そこで本記事では、同年代・同世帯構成の平均貯蓄額や中央値をもとに、わが家の貯金がどの位置にあるのかを解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
40代で2人以上の世帯の平均貯金額は?
年代と家族構成が同じくらいの家庭がどれくらいの貯金をしているのかは、自分たちの家計を見直すうえでも気になるところです。ここでは、公的な調査データをもとに、40代の子ども2人世帯の貯金状況を見てみましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、40代の2人以上世帯の金融資産保有額は、平均で889万円、中央値は220万円です。ここでいう「金融資産」には、預貯金のほかに株式や投資信託、保険なども含まれます。
金融資産には、いろいろな種類が含まれている点に注意が必要です。平均額は一見高く見えますが、これは一部の高資産層が数字を引き上げているためです。したがって、実際のところは中央値の220万円のほうが、より多くの家庭の実態に近いと考えられます。
なお、この調査は子どもの有無までは分からないため、40代で子ども2人いる家庭という条件にぴったり一致するデータはありません。ただし、子育て中の家庭は教育費や生活費の負担が大きくなるため、同じ40代でも独身や子どもがいない家庭に比べて貯蓄に回せる金額は少なくなりがちです。
したがって、40代子育て家庭の貯金が600万円あるというのは、中央値の220万円を大きく上回っており、同世代のなかでも比較的しっかり貯められているといえるでしょう。
40代・子ども2人世帯で貯金600万円は多い? 少ない?
貯金が600万円あるという状況は、一見して安心感のある数字に思えます。しかし、その価値は家庭の状況や将来のライフイベントによって大きく変わります。
例えば、住宅ローンを返済中かどうか、子どもが公立・私立のどちらの学校に進学するか、また、進学先が自宅から通える範囲かどうかによっても、将来必要になるお金は大きく変わります。さらに、夫婦どちらかが退職や転職の予定している場合は、収入が変わることも考慮しなければなりません。
一般的に子ども1人あたりの教育費は、大学卒業までに1000万円以上かかるといわれています。つまり、子どもが2人いる家庭では、教育費だけでも2000万円近くなる可能性があるのです。もちろん、全額を貯金でまかなう必要はありませんが、計画的にお金を貯めていくことが求められます。
また、老後資金としては、ゆとりある生活を送るには夫婦で2000万円程度の備えが必要とする試算もあります。そのため、今ある600万円を「ゴール」ではなく、これから先のための「通過点」として考えることが大切です。
現在の貯金が600万円あるというのは、しっかり管理された家計の結果といえるでしょう。また、同世代の中央値と比較しても十分に堅実な数字です。これをベースにして、今後のライフイベントを見越した計画を立てていくことが、より安心できる家計づくりにつながります。
今後の貯蓄計画を立てるうえで意識したいこと
40代は、家計の支出が最も大きくなりやすい時期です。そのようななかでも効率的に貯金を増やすために、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
まず、子どもの教育費は大きな出費になります。特に私立の中学や高校、大学に進む場合は数百万円以上の支出が予想されるため、早めに準備を始めておくのが理想的です。
次に、老後資金の備えも視野に入れましょう。iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用しながら少しずつお金を貯めていく方法は、多くの家庭にとって現実的かつ効果的です。
さらに、日々の家計の見直しも忘れてはいけません。保険料や通信費などの固定費を見直したり、家計簿をつけて無駄な支出を見つけたりすることが、毎月の貯金額を増やす第一歩になります。
貯金計画は平均に振り回されず、自分たちの目標を立てよう
貯金600万円という金額は、40代で子ども2人という家庭構成において、平均的かそれ以上の水準にあると考えてよいでしょう。ただし、貯金が多いか少ないかは家庭の状況によって異なります。統計の数字に一喜一憂するのではなく、「わが家にとって必要な額」を基準に考えることが大切です。
これからかかる教育費や老後資金について、どのくらい貯める必要があるのかを家族で話し合い、計画的に資産形成を進めていきましょう。周りの家庭と比べるのではなく、自分たちの未来に目を向けることが、健全な家計管理の第一歩です。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー