4月から会社が「原則出社」に移行し「自転車通勤」を始めたのですが、「通勤手当」は返還が必要ですか?
配信日: 2025.04.29

そこで当記事では「自転車通勤」を始めた場合、「通勤手当」の返還が必要なのかどうかや「懲戒処分」になる場合、「自転車通勤中」に事故に遭った場合についてなど、詳しく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「通勤手当」の返還が必要かどうかは「就業規則」による
そもそも「通勤手当」は法的な支払い義務はなく、企業の「就業規則」や「賃金規程」に従うのが一般的です。その「就業規則」や「賃金規程」に「公共交通機関を利用している場合、通勤手当を支払う」などと規定されている場合は、公共交通機関を利用せず「自転車通勤」をすると返還を求められるケースもあります。
一方で「通勤手当として毎月1ヶ月分の定期代を支払う」というような曖昧な規定の場合は、返還を求められない可能性もあります。「自転車通勤」を始めた場合、「通勤手当」の返還が必要かどうかは原則として「就業規則」や「賃金規程」によりますので、気になる方は自社のルールを調べておくとよいでしょう。
返還を求められなくても場合によっては「懲戒処分」の対象になる可能性も
一方で、「就業規則」で「自転車通勤」が禁じられている場合は、禁止事項に違反したとして、懲戒処分の対象となる可能性があります。
例えば、「就業規則」に「特別に認められた者以外の自転車・バイク・自家用車での通勤は禁止」と規定があったとします。その場合、企業の許可をとらずに「自転車通勤」をしていたのであれば、禁止事項に違反したとして懲戒処分になることも考えられます。
処分は「就業規則」の定めによりますが、違反の内容はかなり軽微なものとはいえ、戒告またはけん責といった処分がくだされる可能性があるかもしれません。
「自転車通勤中」に事故に遭った場合「労災保険」の給付を受けられない可能性も
また、仮に「自転車通勤」を会社に届け出ていない場合、万が一事故に遭っても「労災保険」の給付を受けられない可能性があります。
一方で「合理的な経路および方法」であれば労災認定される可能性も捨てきれません。
企業へは「電車通勤」と申請している中、「自転車通勤」をしていて事故に遭いけがをした場合でも、「自転車」は一般的に労働者が使用する交通手段のため、「合理的な経路および方法」であるといえ、事故に遭った経路がよほど遠回りであるといったことがなければ「合理的な経路」として「労災保険」の給付を受けられる可能性もゼロではないようです。
しかし、通勤手当を受け取っている場合は問題に発展する恐れもあります。例えば、「通勤手当」の返還を求められたり、「通勤手当」の不正受給が悪質と判断されると懲戒処分がくだされたり、刑法第246条の詐欺罪に該当するとして会社から刑事告訴される可能性もあります。
まとめ
「自転車通勤」を始めた場合「通勤手当」の返還が必要なのかや「懲戒処分」になる場合、「自転車通勤中」に事故に遭った場合について解説しました。
「通勤手当」の返還が必要かどうかや「懲戒処分」になるかどうか、「自転車通勤中」に事故に遭った場合の対応は、原則として「就業規則」や「賃金規程」によることが分かりました。不安がある方は今一度「就業規則」や「賃金規程」を確認した方がよいでしょう。万が一のことに備えて、企業のルールに沿った方法で通勤をするようにしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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