「40代共働き世帯」の我が家、「貯金が200万円」しかありません…。「老後2000万円問題」にはどう立ち向かうべきでしょうか?
本記事では、40代で2人以上世帯の預貯金残高の平均や老後2000万円問題に備える方法を解説します。
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40代「2人以上世帯」の預貯金残高は「平均232万円」
金融広報中央委員会「知るぽると」の2023年の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、40代で2人以上世帯の「現在保有している預貯金残高」は平均232万円でした。
また、金融資産を保有していない40代で2人以上世帯の割合は26.8%となっています。金融資産保有世帯の場合、40代で2人以上世帯の金融資産保有額は中央値で500万円ですが、金融資産を保有していない世帯も含めると中央値で220万円です。
「老後2000万円問題」とは?
老後2000万円問題とは、金融庁金融審議会の報告書を発端に話題となった問題です。金融審議会の「市場ワーキング・グループ報告書」によると、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみで無職の世帯の場合、毎月の不足額は平均約5万円とされています。20~30年生き続けた場合、単純計算で1300万~2000万円が不足する計算です。
実際、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上で夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の家計収支は消費支出が25万6521円、可処分所得が22万2462円となっています。1ヶ月の不足分は3万4058円とされており、この赤字が30年続いた場合、1226万880円が不足する計算です。
年金制度の見直しや経済状況の変化によっては、1200万円以上の貯蓄が必要になるかもしれません。特に、年金受給額が少ない人や退職金を受け取れない人は老後資金が不足する恐れがあります。
「老後2000万円問題」に備える方法
老後2000万円問題に備える方法として、以下が挙げられます。
・公的年金の受給開始年齢を引き下げる
老齢基礎年金・老齢厚生年金は原則として65歳から受給できますが、最長で75歳まで受給開始年齢を繰り下げられます。日本年金機構によると、繰下げ受給をした場合、1ヶ月ごとに0.7%増額され、最大で84%まで増額できる仕組みです。65歳以降も働く人やすぐに受給する必要がない人は受給開始年齢の引き下げを検討しましょう。
・NISAやiDeCoなどを活用する
NISAやiDeCoなどの制度を活用しながら長期積立投資を行うのもひとつの手です。NISAは投資制度のひとつで、NISA口座で得た利益には一定の制限のもと税金がかからないというメリットがあります。iDeCoは自分で決めた掛け金を積み立てて運用する私的年金制度で、掛け金の全額が所得控除の対象となるため、所得税・住民税を軽減できます。
・リバースモーゲージやリースバックを利用する
リバースモーゲージとは、自宅を担保に老後資金を借り入れるローンで、契約者が亡くなった際に担保不動産を売却して、借入金の残高を一括返済する仕組みです。自宅に住みながら老後資金を借り入れられ、高齢でも融資が受けられます。
また、リースバックとは自宅を売却して現金化し、買主と賃貸借契約を行って売却後も住み続ける方法です。固定資産税がかからなくなり、修繕費などの維持費・管理費もなくなるケースがあるほか、まとまった資金も調達できます。
まとめ
40代で2人以上世帯の預貯金残高は平均232万円、金融資産を保有していない割合は26.8%でした。総務省統計局の家計調査によると、65歳以上で夫婦のみの無職世帯における家計収支は月に約3万4000円、30年間で1200万円以上不足する計算です。
公的年金の受給開始年齢を引き下げたり、NISA・iDeCoやリバースモーゲージ・リースバックなどを活用したりして、老後2000万円問題に備えましょう。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号2 金融資産の有無、金融資産非保有世帯の預貯金口座または証券会社等の口座の有無および現在の預貯金残高、統計表の番号3 金融資産保有額(金融資産保有世帯)、統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 2.基本的な視点及び考え方 (1)長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要(21ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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