4月から社会人になり一人暮らしをしている娘。「生活費がギリギリで足りない」と言っていたのですが、初任給手取り「19万円」でも足りないものなのでしょうか?
配信日: 2025.05.09

そこで今回は、手取り19万円の平均支出や20代の平均貯金額を解説します。新社会人が効率よく貯金するためのコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
手取り19万円の一人暮らしの平均支出は17万〜18万円程度
総務省の家計調査(2023年)によると、手取り収入が19万円で一人暮らしをするケースでは、月間の平均消費支出は17万7481円となっています。消費支出の主な内訳は、表1の通りです。
なお、月間の手取り収入が19万円の場合は、年収は290万円程度となるようです。そのため、年収階級が「200万円〜300万円」のデータを参照しています。
表1
食費 | 3万6797円 |
住居費 | 2万9014円 |
光熱・水道費 | 1万1368円 |
家具・家事用品費 | 5003円 |
被覆及び履物費 | 3290円 |
保険医療費 | 4877円 |
交通・通信費 | 1万9903円 |
教養娯楽費 | 1万4343円 |
その他の消費支出 | 1万9178円 |
※e-Stat 政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 単身世帯 2023年」を基に筆者作成
単純に手取り19万円とすると、消費支出を差し引いた場合「1万2519円」しか残りません。これ以上の支出が出ると、すぐに生活費がマイナスとなります。
毎月1万2000円程度の余裕しかない場合「生活費がギリギリで足りない」となるケースも考えられるでしょう。
20代の平均貯金額は年間手取り収入の18%
金融広報中央委員会の知るぽるとによる「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を見ると、20代の平均貯金額は、年間手取り収入の18%との結果が出ています。
月間の手取り収入が19万円のケースでは、年間の手取り収入が228万円となるため貯金額は年間に41万400円が平均値です。月間に換算すると、3万4200円となります。
しかし、先ほどの平均支出を参考にすると、手取り19万円では1万2000円程度しか残らない計算になります。20代の平均貯金額と同額の貯金をするには、2万円以上の節約が必要といえるでしょう。
新社会人が効率よく貯金するためのコツ
生活費がギリギリの新社会人が、効率よく貯金するためのコツは以下の通りです。
●なぜ貯金が必要なのか理由を決める
●収支の管理をしっかりと行う
●「先取り貯金」を行う
●副収入を検討する
まずは「なぜ貯金が必要なのか」を明確にしましょう。「車が欲しい」「住宅資金をためたい」などの目的を作ることで、貯金にやりがいを感じる可能性があります。
日頃から収支の管理をしっかりと行い、お金の流れを把握することも重要です。特に、支出をしっかりと管理しないと、無駄遣いが増えてしまうこともあるでしょう。
また「必要なものを購入して、残ったお金を貯金する」のシステムでは、お金が残らない可能性があります。貯金は先取りシステムにして、設定した貯金額を初めから使わないことが重要だと考えられます。
とはいえ今回のケースのように、一人暮らしであればそもそも先取り貯金をするのも難しいこともあるかもしれません。そういった場合は、収入を増やすために副業を検討するのも1つの方法です。
近年は、働き方改革の一環として副業を認める企業も増えてきているようです。1ヶ月に2万円〜3万円でも副収入があると、20代の平均貯金額に近づく可能性があります。本業に支障が出ない程度に始めてみるとよいでしょう。
手取り19万円では生活費がギリギリの可能性がある
総務省の家計調査によると、手取り19万円(年収換算にすると290万円程度)の場合、1ヶ月の消費支出は17万7000円程度です。そのため、収入から支出を差し引くと1万2000円程度しか残らない計算となり、生活費がギリギリになる可能性があります。
また、20代の平均貯金額の調査によると手取り年収の18%という結果が出ており、手取り19万円の場合は3万円ほど貯金できる計算となります。平均貯金額を目標とするのであれば、貯金をする目標を立てて、収入と支出の管理をしっかりと行う必要があるでしょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 単身世帯 2023年
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー