SNS上で「4〜6月の残業を減らせば社会保険料は安くなる」などの書き込みを見かけたという夫。これって一体どういう仕組みなのでしょうか?直近で夫の給与が「10万」上がったのですが、なにか影響はあるでしょうか?

配信日: 2025.05.09

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SNS上で「4〜6月の残業を減らせば社会保険料は安くなる」などの書き込みを見かけたという夫。これって一体どういう仕組みなのでしょうか?直近で夫の給与が「10万」上がったのですが、なにか影響はあるでしょうか?
給料から差し引かれる社会保険料額を少しでも減らしたいと考える方もいるでしょう。また、社会保険料について、裏技めいた内容をSNSで見かけたという方もいるでしょう。社会保険料額の改定時期はあらかじめ決まっているため、その時期の残業を減らすと社会保険料額も減らせる可能性があります。
 
ただし、給料からは税金も引かれているので、手取りを多くしたいと考えているなら税額の決まり方もチェックしておきましょう。今回は、社会保険料の決まり方や例外などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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社会保険料の決まり方

社会保険料は、4〜6月の標準報酬月額から決められ、同年9月から翌年8月まで適用されます。日本年金機構によると、標準報酬月額は給料を一定の金額で区分した報酬月額に当てはめ、決定される項目です。つまり「4月から6月」にかけての給料に応じて、社会保険料も変動することになります。
 
給与の支払い方式によっては、社会保険料が決まる時期に残業代をできるだけ少なくすると、給料額が減るため支払う金額も減少するでしょう。逆に、残業を多くしたり手当が多かったりすると、差し引かれる金額が高くなる可能性があります。
 

社会保険料の例外とは

日本年金機構によると、以下の状況に当てはまるときは標準報酬月額が変動する可能性があります。

●社会保険の資格を取得したとき
●昇給や降給などの理由で決められた給料が変わり、連続した3ヶ月間の報酬総額を3で割った金額が、以前の報酬月額と比べて大きく増減している(随時改定)
●育児休業の終了(終了日翌日がある月から3ヶ月間の報酬の平均額を基に、新たな標準報酬月額が決まる)
●算定額が著しく不当だったり通常の改定で算定が難しかったりするとき

例えば、昇給で給料が月収20万円から30万円になったとすると、等級は5段階上昇します。変動幅が大きいため、通常の改定時期でなくても、標準報酬月額が変わる可能性があるでしょう。
 
ただし、給料の増減による随時改定は明確な金額の基準が設けられているわけではありません。具体的にいくら上がった、あるいは下がったから社会保険料が変わるなどは明確ではないので、気になる方は収入が変動した際に会社に確認するとよいでしょう。
 

給料から引かれる税金額は基準が異なる

社会保険料のほかに、所得税や住民税も給料から引かれる項目です。所得税額や住民税額は、社会保険料とは決まるタイミングが異なります。
 
まず、所得税は源泉徴収により引かれたあと、年末調整で1年間の所得を基に正確な金額を算出して生産することが特徴です。源泉徴収では源泉徴収の税額票を基に、給料の概算と扶養親族の人数から引かれる金額を算出します。
 
給料を受け取っている方の住民税は、前年1年間の所得を基に算出した所得割と金額が決まっている均等割の合計額を、6月から翌年5月までの1年間に分けて納付することが特徴です。特別徴収と呼び、会社が給料から差し引く形で納付します。
 
そのため、社会保険料を少なくするために4~6月の残業を少なくしても、ほかの月の残業が前年よりも多くなると、納付税額は増える可能性があります。手取りを少しでも多くしたいときは、社会保険料だけでなく税額の決まり方も知っておいた方がよいでしょう。
 
また、税金には多様な控除があるので、活用できると税額も安くなる可能性があります。
 

社会保険料は基本的に4~6月の収入に応じて増減するため

社会保険料は4~6月の標準報酬月額を基に決められるため、同期間の収入が少なくなると社会保険料も安くなる可能性があります。残業を少なくすると残業代が減る場合は、標準報酬月額も少なくなるでしょう。
 
ただし、昇給や降給で大きく給料が変動したり一定条件に当てはまっていると、標準報酬月額が改定される場合もあります。
 
また、所得税や住民税は1年間の所得から決まるため、手取り額を多くしたいのなら社会保険料だけでなく、給料から引かれる税額や控除もチェックしておくとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 厚生年金保険の保険料 2.標準報酬月額 (3)標準報酬月額の決定および改定
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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