倹約家の友人は「タンス預金」で「500万円」貯めたそうです。銀行に預けた方が安全だと思うのですが、なにか「メリット」があるのでしょうか?

配信日: 2025.05.10

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倹約家の友人は「タンス預金」で「500万円」貯めたそうです。銀行に預けた方が安全だと思うのですが、なにか「メリット」があるのでしょうか?
貯金はどのご家庭でも行っていると思いますが、中には「タンス預金」をしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の事例では、友人が「タンス預金」で「500万円」を貯めたようですが、そんな「タンス預金」にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
 
当記事では「タンス預金」のメリット・デメリットを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「タンス預金」のメリット

「タンス預金」のメリットは、大きく3点あります。
 
まず、好きなタイミングでお金を使用できる点です。銀行に預金しているとATMが閉まっていて使えない場合があったり、営業時間外にお金を下そうとすると手数料が発生したりします。一方でタンス預金は、時間の制限や手数料を気にせずに好きなタイミングで必要なお金を使えます。
 
次に、相続発生時などの口座凍結に備えられる点です。被相続人が亡くなり相続が始まると原則として遺産分割協議が終わるまで、被相続人の口座は凍結されます。家族が亡くなった直後は葬儀費用などのお金が必要になるので、タンス預金があれば現金での支払いにも困らないでしょう。
 
最後に、万が一金融機関が破綻しても資産を守れる点です。金融機関が破綻した際に保障されている額は預金者1人あたり、1金融機関につき1000万円までです。そのため、1000万円以上の預金がある人は保障額以上が消えてしまう可能性があります。一方でタンス預金は金融機関が破綻しても資産を守ることができます。
 

「タンス預金」のデメリット

「タンス預金」のデメリットは、大きく3点あります。
 
まず、災害や盗難などのリスクがある点です。銀行預金であれば、災害などで通帳やキャッシュカードを失くしてしまっても、運転免許証などの本人確認が取れる書類があればお金を引き出すことができます。
 
次に、利息がつかずインフレ時に資産価値が下がる点です。銀行預金の場合は基本的に利息が発生しますが、タンス預金は利息が一切つきません。
 
最後に、相続トラブルに発展しやすい点です。タンス預金のありかを知っている相続人が無断で持ち出したり、遺産相続手続きが完了したあとにタンス預金が発見されたりなど、トラブルにつながりやすいでしょう。
 

タンス預金は「相続税対策」にはならない

中には「相続税対策」のためにタンス預金をしているという人もいるかもしれません。結論を言うとタンス預金は「相続税対策」にはなりません。相続税申告時にタンス預金を隠しても、税務署に見つかる可能性が高いためです。
 
被相続人の正味の遺産総額が基礎控除額を越える場合、税務署に申告をして相続税を納めなければなりません。遺産が多いと相続税も高額になるため「税務署に見つからないよう自宅に隠しておけば相続税対策になる」と考える人もいるかもしれません。
 
しかし、実際には、人が亡くなると家族が市区町村役場に死亡届を提出し、その死亡届の内容は税務署にも通知されることになっているようです。
 
税務署は過去の申告内容などから故人の資産をおおまかに把握しているので、相続人からの申告額が少なければ、税務調査の対象になってしまう可能性があります。結果として、相続人が追徴課税を受けることになるおそれもあります。
 
「相続税対策」としては死亡保険金の非課税枠を活用するのもひとつの方法です。国税庁によれば、被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは相続税の課税対象となります。この死亡保険金の受取人が相続人である場合、「500万円×法定相続人数」が非課税枠となります。
 

まとめ

タンス預金にはメリットとデメリットがあります。中には「相続税対策」のためにタンス預金をしているという人もいるかもしれませんが、結論として、タンス預金は「相続税対策」にはなりません。もし相続税対策も兼ねてタンス預金を検討しているのであれば、死亡保険金の非課税枠なども活用してみることをおすすめします。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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